夜イカ(イカメタル)ガイド
─ ケンサキ・アカイカの基本と、
直江津・紀中・志摩の違い

夕方に港を出て、船の集魚灯を点けて数時間。 手元で「ズンッ」と抱きつく瞬間だけを味わう のが夜のイカ釣りだ。 軽い竿1本で成立するので道具立ても重くない。 ただし調べるときに厄介なのが呼び名で、 同じ「アカイカ」でも エリアによってまったく別の釣り を指す。 本ガイドでは夏の夜に狙うケンサキイカ(アカイカ)を軸に、仕掛けと誘いの基本、 新潟・和歌山・三重の違い、そして「同じ名前でも別物」のエリアを直近2年のデータで整理する。

仕掛けは「オモリ型のスッテ+枝スッテ」

主流は、オモリと疑似餌が一体になった重り型のスッテ(金属製やプラスチック製)を先に付け、 その上の枝に浮きスッテを1〜2本足す形。 軽い竿でスッテを動かし、 止めた瞬間に抱かせる のが基本の考え方だ。 船の明かりに寄ってくるイカのタナが刻々と変わるので、 底から表層まで探れるカウンター付きのリールがあると楽になる。

項目標準セッティング
竿イカメタル専用 1.7〜2.0m、穂先のやわらかいもの
リール小型両軸(水深カウンター付きが便利)またはスピニング
道糸PE 0.4〜0.8号
リーダーフロロ 2〜3号、2m前後
先の仕掛け重り型スッテ 15〜30号(船宿指定に従う)
枝の仕掛け浮きスッテ 1〜2本、枝の長さ20〜30cm
あると安心ヘッドライト(赤色推奨)、長袖の上着、船酔い対策

関東で一般的なスッテの多点仕掛け(マルイカ・ヤリイカ・スルメイカ)は 道具も誘い方も別系統になる。そちらは イカ仕掛けの解説 を参照。

基本は「動かして、止める」

  1. 船長の指示ダナ(または底)までスッテを落とす
  2. 竿先で小さくシャクって スッテを跳ねさせる
  3. ピタッと止めて、穂先を見る。イカは止めた瞬間に抱く
  4. 穂先がわずかに戻る・押さえ込まれるなどの変化が出たら即アワセ
  5. 巻き上げは一定速度。テンションを抜くと足が外れる

明るいうちは底付近、暗くなるとタナが上がってくる、というのが大まかな流れ。 釣れた人の水深を共有する のがこの釣りの近道で、 乗合ではタナのアナウンスをこまめに聞くと差が出る。 月が明るい夜は散りやすい、潮が速すぎると仕掛けが立たない、といった日は 誘いを小さくしてタナを丁寧に刻む。

釣れる時期 ─ 7〜8月に集中する

直近2年の記録を月別に並べると、夜イカのシーズンは驚くほど短い。 新潟・和歌山・三重のいずれも 7〜8月の2か月にほぼすべてが集まり、 9月にはほとんど記録が残らない。

エリア5月6月7月8月9月期間合計
新潟(アカイカ)0645550106
和歌山(アカイカ)032432160
三重(ケンサキイカ)00730239
三重(アカイカ)00422026

直近2年(2024年9月以降)に釣果が記録された出船数。数字は「その月に何回イカ便が出たか」で、釣れた数ではない。

つまり夜イカは 「梅雨明けから盆過ぎまで」の釣り物。 シーズンが短いぶん船宿側も集中して出すので、 7〜8月の週末は予約が埋まりやすい。逆に平日なら直前でも取れることが多い。

エリアごとの最新の釣果と船宿の並びは、それぞれの詳細ページで確認できる。

件数は直近2年に釣果が記録された出船数。

エリアごとの違い

出船数が最多
新潟・上越
直江津・名立

直近2年で106出船。 さとみ丸直江津)が60出船で中心となり、 八坂丸(直江津)、 天翔丸名立)が続く。 2026年8月2日にさとみ丸で56杯。 ほぼ毎晩どこかの船が出ている ので日程を合わせやすい。

1人100杯超も
三重・伊勢志摩
賢島・礫浦

むさし丸VI賢島)で2026年8月3日に1人125杯、 光栄丸礫浦)で同日に128杯。 志摩沖は ハマった日の数字が全国で一番大きい。 半夜便が中心で、名古屋・大阪からの日帰りも現実的。

関西から近い
和歌山・紀中
印南・田辺・白浜

良栄丸印南)が36出船で最多。 BLUE PIER田辺)、 第八けいと丸紀伊白浜)も夏の夜便を出す。 2026年8月2日に良栄丸で50杯。 18時前後の出船が標準で、スルメイカが混じる日も多い。

同じ名前でも別の釣り
富山湾・外房・鹿島灘
呼び名に注意

貴新丸富山)の「アカイカ」は 2〜3月のヤリイカ便に混じる記録で、夏の夜イカとは別物。 鈴丸川津)は4〜5月に勝浦沖の水深120m前後を 早朝から 狙う。 第三幸栄丸鹿島)の記録は 日中のマルイカ便に15〜23cmの小型が混じったもの。

4枚目のカードが、このジャンルで一番つまずきやすいところだ。 「アカイカ」という単語で船を探すと、季節も時間帯も道具も違う釣りが並んでしまう。 夏の夜に軽い竿で狙いたいなら「イカメタル」「半夜便」で探す のが確実で、 逆に春のヤリイカや日中のマルイカを探しているなら、この記事の仕掛けは当てはまらない。

データで見る好調船

直近2年で夜イカ便の出船数が多い船宿と、その期間に記録された最多杯数を並べた。

船宿出船数期間内の最多
さとみ丸直江津6056杯(2026-08-02)
良栄丸印南3650杯(2026-08-02)
むさし丸VI賢島24125杯(2026-08-03)
八坂丸直江津1927杯(2026-08-02)
BLUE PIER田辺1846杯(2025-07-08)
光栄丸礫浦12128杯(2026-08-03)
天翔丸名立1250杯(2026-08-08)
第八けいと丸紀伊白浜639杯(2026-07-31)

「期間内の最多」は、その船宿の釣果報告に記録された1人あたりの上限値。 報告の書き方は船宿ごとに違うので、船同士を単純比較する数字ではない。

サイズの記録では胴長45cm前後が上限で、中央値も45cm付近。 数が伸びる日は小型が多く混じるので、「大きさ」と「杯数」は必ずしも一致しない。

よくある質問

夜イカ(イカメタル)はいつからいつまで狙えますか?
記録が集中するのは7月と8月の2か月です。新潟・上越は6月から始まって8月がピーク、和歌山・紀中と三重・伊勢志摩も7〜8月に集中し、9月に入るとほとんど記録がなくなります。半夜便が中心なので、日が長い真夏でも出船は夕方で、帰港は深夜前後になります。
アカイカとケンサキイカは違う魚ですか?
夜の船で狙う「アカイカ」は、多くの地域でケンサキイカのことを指す呼び名として使われています。ただし同じ「アカイカ」でも、富山湾では2〜3月のヤリイカ便の記録に出てくる名前で、千葉・外房では4〜5月に勝浦沖の深場を日中に狙う釣りを指します。釣り物としては別なので、予約時には船宿が「イカメタル」「半夜便」と書いているかを確認するのが確実です。
何杯くらい釣れますか?
1人あたり10〜20杯前後が標準で、条件が揃った日には50杯を超えます。直近2年の記録では、三重・志摩沖で1人125杯、新潟・上越で1人56杯、和歌山・紀中で50杯という日がありました。一方で1人0〜3杯で終わる日もあり、潮と月明かりの影響を受けやすい釣りです。

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