2026年9月の釣況まとめ
─ アオリイカは20倍、
サワラとワラサは3倍、
夏の主役が入れ替わった1か月
9月の1か月で、当サイトは全国386船宿・6,314便の釣果を集めた。 8月と並べると、季節の変わり目がそのまま数字に出ている。アオリイカは11便から229便へ、 サワラは31便から116便、ワラサは96便から318便へ増えた。入れ替わるようにカツオ、シロギス、スルメイカは大きく減った。 月の後半には台風25号が通過し、その翌週に月で最も多くの船が出た。
集め方と、8月との比べ方
数字は、各船宿の釣果報告に、その魚が釣果として載った便の数。カツオとホンガツオ、キハダとキハダマグロのような 呼び方の違いはまとめて数えた。9月から福井・山形・青森の船宿の収集を始めたため、船宿の数は8月の339から386に増えている。 一方で全体の便数は8月の7,667便から6,314便に減った。夏休みが終わり、台風や荒天で出られない日もあったため、 1船宿あたりの便数は月22.6便から16.4便に落ちている。魚種ごとの増減は、この全体の減少を割り引いて読むとよい。
9月に多く船が出た釣り物
| 釣り物 | 9月 | 8月 |
|---|---|---|
| マダイ | 782便 | 830便 |
| タチウオ | 782便 | 982便 |
| アジ | 692便 | 905便 |
| ワラサ | 318便 | 96便 |
| スルメイカ | 297便 | 517便 |
| ヒラメ | 249便 | 293便 |
| アオリイカ | 229便 | 11便 |
| カンパチ | 225便 | 115便 |
| アマダイ | 186便 | 133便 |
| イナダ | 167便 | 125便 |
その魚が釣果に載った便の数(全国)。
上位3つは8月と同じマダイ・タチウオ・アジで、9月はマダイとタチウオがどちらも782便で並んだ。 タチウオとアジは8月より2割ほど減ったが、全体の便数の減り方とほぼ同じで、勢いが落ちたわけではない。 大きく順位を上げたのはワラサ(8月の96便から318便)とアオリイカ(11便から229便)。 どちらも8月にはほとんど報告のなかった、秋の釣り物だ。
秋に増えた釣り物、夏の主役から退いた釣り物
| 増えた釣り物 | 8月 | 9月 | どこで増えたか |
|---|---|---|---|
| アオリイカ | 11便 | 229便 | 新潟・愛知・石川・富山で秋の新子が開幕 |
| サワラ | 31便 | 116便 | 東京湾(53便)と三重・伊勢湾(51便)の2か所に集中 |
| ワラサ | 96便 | 318便 | 三浦半島だけで200便。松輪・剣崎沖が中心 |
| カンパチ | 115便 | 225便 | 相模湾が8便から82便に。平塚沖に若い群れ |
| アマダイ | 133便 | 186便 | 相模湾・三浦半島で底物の柱に |
アオリイカは9月に一気に始まった。新潟(50便)、愛知(49便)、石川(35便)、富山(32便)と、 日本海側と愛知で秋の新子のシーズンが開いた。碧南のトップガンは9/26に1回のガイドで101杯を数え、 このガイドでは初めての100杯超えになった。直江津や富山湾の様子は 直江津のコラムや 富山湾のコラムでも取り上げている。
青物は二手に分かれて増えた。サワラは東京湾と伊勢湾にほぼ半々で、 深川の深川吉野屋は9/24の釣行で船中84匹(竿頭14匹)。 ワラサの318便のうち200便は三浦半島で、松輪の剣崎沖が月を通して釣れ続けた。 カンパチは相模湾が8月の8便から82便に増え、平塚沖に若い群れが入った。
減った側には、夏を代表する釣り物が並ぶ。カツオは3分の1、シロギスも3分の1、夜のアカイカ(ケンサキイカ)は 117便から15便まで減った。ただ、いなくなったわけではない。カツオは台風が抜けた後の9月最終週に相模湾で再び増え、 シロギスも東京湾の湾奥では9/27に137匹が出ている。夏の釣り物は「終わった」というより「主役の座を譲った」段階だ。
台風25号の週と、その翌週
| 週 | 全国の出船 | その週の様子 |
|---|---|---|
| 9/1〜9/6(6日間) | 1,271便 | 月初めは平日も200便前後 |
| 9/7〜9/13 | 1,267便 | 週前半の北東風で9/7は68便。週末の9/13に392便 |
| 9/14〜9/20 | 1,296便 | 週末に台風25号が接近し、9/20は114便 |
| 9/21〜9/27 | 1,843便 | 9/21は56便で月間最少。秋分の日9/23と週末に急回復 |
| 9/28〜9/30(3日間) | 637便 | 平日でも200便前後を維持 |
台風25号が最も近づいた9/21の出船は全国で56便と、9月でいちばん少なかった。ところが翌週の合計は1,843便で、 9月のどの週よりも多い。9/23が秋分の日の祝日だったこともあり、出られなかった釣り人が凪の戻った海に一斉に向かった。 9/27の393便は9月の1日あたりの最多だ。
台風を挟んで釣り物も動いた。相模湾のカツオは台風の週の7便から翌週34便へ、茨城のマダイは8便から43便へ、 千葉のスルメイカは13便から31便へと戻っている。週ごとの細かい動きは つりれぽ週報で各エリアの記事にまとめた。
9月の大物
| 魚 | 大きさ | 日付 | 船宿 | メモ |
|---|---|---|---|---|
| マダイ | 100cm・11kg | 9/27 | 海運丸(福井・三国) | 同じ日にヒラメ90cm・6.5kgも |
| キハダマグロ | 60.2kg | 9/16 | くらはし丸(手石) | 遠征のキャスティング |
| モロコ(クエ) | 20.7kg | 9/28 | 森竜丸(網代) | 大雨の中の泳がせ船 |
| カンパチ | 18.6kg | 9/2 | 龍正丸(下田) | 銭洲。同じ日にヒラマサ17.5kg |
| ヒラマサ | 17.5kg | 9/27 | 恵丸(手石) | 利島東沖 |
| ヒラメ | 10.4kg | 9/16 | 第十五隆栄丸(平潟) | 8.8kgも交じった |
| カツオ | 9.2kg | 9/27 | 長三朗丸(葉山) | 台風明けに戻った群れ |
いちばんの驚きは、福井・三国の海運丸が9/27に上げた 100cm・11kgのマダイだ。9月から収集を始めたばかりの海で、同じ日に90cm・6.5kgのヒラメも出ている。 伊豆の島周りや銭洲に出る遠征船は今月も強く、キハダ60.2kg、カンパチ18.6kg、ヒラマサ17.5kgと、 二桁キロの魚が月を通して並んだ。平潟のヒラメ10.4kgは、関東の船釣りではめったに見ない重さだ。
魚種ごとの、1人で釣った最多
| 魚 | 最多 | 日付 | 船宿 |
|---|---|---|---|
| アジ | 221匹 | 9/16 | 品川ひらい丸(品川) |
| スジイカ | 350杯 | 9/27 | 幸栄丸(鹿島) |
| スルメイカ | 190杯 | 9/4 | 龍正丸(下田) |
| シロギス | 189匹 | 9/15 | 長崎屋(横浜) |
| タチウオ | 140本 | 9/22 | 忠栄丸(片名) |
| カンパチ | 43本 | 9/23 | 庄三郎丸(平塚) |
| マダコ | 30杯 | 9/25 | 弘清丸(大洗) |
| ワラサ | 18本 | 9/4・9/20 | 瀬戸丸(松輪) |
その日いちばん釣った人(竿頭)の数。船全体の合計で報告された日は除いた(和歌山市・虎丸のタチウオ船中200匹など)。
タチウオの140本は、片名の忠栄丸がテンヤで出した船宿の新記録で、泉佐野の夢丸も 9/16・9/19に同じ140本に並んだ。アジは品川のショート船で221匹、金谷のさえむ丸も 9/5に204匹で今季最多を更新している。数の釣りは、まだ夏の勢いを保ったまま9月を走り抜けた。
10月の見通し
- アオリイカ:日本海側と愛知で始まったばかり。秋の新子は月を追って型が上がっていく
- カワハギ:三浦半島で9月最終週に便が倍増した。肝が太る本番の11月へ向けて数が伸びる時期
- マダコ:茨城・鹿島灘の本番入り。大洗・日立で20〜30杯が出始めた
- ヤリイカ:駿河湾の石花海でまとまって釣れ始めた。冬に向けて主役がスルメイカから入れ替わる
- タチウオ:大阪湾と伊勢湾口のテンヤで三桁が続いており、10月も数が期待できる
- カツオ・キハダ:台風明けに相模湾へ戻った群れがいつまで残るかが分かれ目
数字は2026年10月3日時点で集まっている9月分の釣果報告にもとづく。報告が後から追加されると、便数は少し増えることがある。