船釣り初心者ガイド
はじめての沖釣りで失敗しないために
船釣り(遊漁船での沖釣り)は、堤防釣りや管理釣り場と比べて段違いに釣果が出やすい一方、 「予約の電話どうしよう」「何を持って行けばいいのか」「酔ったらどうしよう」と、 最初の 1 回でつまずく要素もそれなりにあります。 このページでは、東京湾・相模湾・三浦半島のエリアで初めて船に乗る人に向けて、 当日までに準備しておくべきこと、当日の流れ、料金やマナーまで、 まとめて読めるように整理しました。
まず何を釣る? 最初の1回におすすめの釣り物
結論から書きます。東京湾の LT(ライトタックル)アジ船から始めるのが、ほぼ全員にとって正解です。 理由はシンプルで、年中安定して釣れる、仕掛けがシンプル、半日便で 1 万円以下、 レンタルタックル完備の船宿が多い、子ども連れでも乗れる、ボウズになる確率が非常に低い、 という条件が全部そろっているのが LT アジだけだからです。
金沢八景・横浜・川崎・久里浜あたりは LT アジの船宿が密集しています。 東京湾の 相模湾側より波が静かなので、船酔いリスクも低めです。 どうしてもマダイなど大物が釣りたい場合は、相模湾の コマセマダイかひとつテンヤを選ぶことになりますが、 棚取りやアタリの感覚を覚える前に大物を狙うのはハードルが高いので、まずアジで「仕掛けを底まで落として上げる」感覚を覚えるほうが結果的に近道です。
初心者ど真ん中の1本
予約の取り方
ほとんどの船宿は電話予約がベースです。ホームページに「ご予約はお電話で」と書いてあったらそれが正です。 最近は LINE 公式アカウントや Web フォームで取れる船宿も増えていますが、 前日確定・キャンセル・乗船人数の変更などは結局電話のやり取りになります。
電話で必ず伝えることは決まっていて、慣れていなくても以下を順に話せば成立します。
- 何月何日の便に乗りたいか(午前 / 午後 / 仕立てなど)
- 大人 / 子ども 何名か
- 釣り物は何か(例: LT アジ)
- レンタル道具が必要か(竿・リール・クーラー)
- 初心者であること、はじめての乗船であること
「はじめてです」と最初に言ってしまうのが鉄則です。船宿側は釣り座の配置や仕掛けの説明を最初から丁寧にしてくれるので、変に経験者ぶる必要はまったくありません。 週末の予約は早く埋まる船宿が多いので、可能なら1〜2週間前には電話しておくと安心です。
料金の相場とレンタルでまかなえる範囲
2025〜2026 年現在、東京湾エリアの相場感はだいたい以下のとおりです(船宿・釣り物で前後します)。
| 項目 | 相場 | 備考 |
|---|---|---|
| 船代(LTアジ半日) | 6,000〜8,000円 | 午前 / 午後 4〜5時間 |
| 船代(コマセマダイなど1日便) | 11,000〜14,000円 | 朝〜午後の終日 |
| 竿・リール レンタル | 500〜1,500円 | 船宿によっては無料 |
| クーラーレンタル | 500円〜 | 魚を持ち帰るなら必須 |
| 仕掛け(船で購入) | 500〜1,500円 | 予備込みで 2〜3 セット買うとよい |
| 氷 | 無料〜500円 | クーラーに入れる |
合計すると、はじめての半日 LT アジで 1 万円前後に収まることが多いです。 竿・リールはほぼ全船宿でレンタルがあるので、最初は全部借りる前提で問題ありません。 ライフジャケットは法令で着用義務があり、船で無料で貸与されます(必要な物の中で唯一持参不要なくらい)。
持ち物リスト
レンタル前提なら、自前で用意する物はほぼ「身につける物」と「飲み食い」と「保冷」の 3 種類です。
必須
- 動きやすく、濡れてもいい服(黒系は鳥のフン対策にもなる)
- 滑りにくい靴(スニーカーで OK、サンダルは NG)
- 帽子(夏は必須、冬もあると風除けに)
- 偏光サングラス(任意だが、海面の反射を消せて疲れにくい)
- 飲み物(500ml × 1〜2 本、夏は多め)
- 軽食 / おにぎり(朝早いので船着き場のコンビニで買うのが定番)
- タオル(魚を触ったり、海水を拭いたり、何枚かあると安心)
- クーラーボックス(または船宿でレンタル)と氷
- 魚を入れて持ち帰るビニール袋(船宿で配ってくれる場合も多い)
- 酔い止め薬(次セクション)
あると便利
- マリングローブ / 軍手(ハリスや魚のヒレで指を切らないため)
- カッパ(特に冬・春先は風と波しぶき対策に必須レベル)
- ジップロック大(魚をぬらしたまま冷やす用、または濡れたタオル用)
- モバイルバッテリー(船上で SNS 投稿する人向け)
- 絆創膏・ハサミの入った小さな救急セット
酔い止めと船酔い対策
船酔いは「酔う体質」より「対策しなかったから酔った」のほうが圧倒的に多いです。 次の 3 つを守れば、初回でひどい船酔いになる確率はかなり下げられます。
- 前日は早めに寝る・飲み過ぎない。 睡眠不足・二日酔いの状態で船に乗ると、ほぼ確実に酔います。これがいちばん効きます。
- 酔い止め薬を出船の 30 分〜1 時間前に飲む。 ドラッグストアで「アネロン」「センパア」など市販の酔い止めを買っておきます。船に乗ってから飲むのでは遅いです。 1 日効くタイプを選ぶと安心。
- 当日は空腹でも満腹でも乗らない。 朝食を軽く(おにぎり 1 個+飲み物)入れて、消化に時間がかかるものは避けます。脂っこい物・カフェイン強めは NG。
それでも酔いそうになったら、遠くの水平線を見続けるのが最も効きます。 スマホや手元の仕掛けを見続けていると三半規管がやられるので、つらくなったら手を止めて顔を上げてください。 どうしても回復しなければ船長に伝えて、横になれる席を確保してもらいましょう。
当日のスケジュール
半日便(午前)の典型的な流れはこんな感じです。
- 出船 1 時間前 船宿に到着・受付。料金支払い、乗船名簿の記入、レンタル道具と仕掛けを受け取る。釣り座(座る場所)はくじ引き / 先着順 / 予約時の指定など船宿による。
- 出船 20 分前 船に乗り込み、自分の釣り座にクーラーを置き、ライフジャケットを着る。竿の長さ・リールの動きをチェック。
- 出船 ポイントまで 20〜40 分の航行。揺れるので席に座っているのが安全。
- ポイント到着〜釣り開始 船長のアナウンスに従って仕掛けを投入。LT アジなら水深 30〜80m が多い。コマセを撒いて棚を作るところから。
- 沖あがり 船長の「上げてください」のアナウンスで全員仕掛けを上げる。港まで戻り、下船・釣果記念撮影。
- 下船後 魚を持ち帰る場合、その場で頭・内臓を落としてくれる船宿もある(無料 / 有料)。クーラーに氷を足して帰宅。
最低限のマナー
- 釣り座は他人のものに触らない。 隣の人の竿・タックルは、本人の許可なくいじらない。
- キャストは絶対 NG。 船釣りは真下に落とすだけ。横にキャストすると他人の仕掛けと絡みます。
- 仕掛けが絡んだら、相手より先に「絡みました、すみません」と声をかける。 黙って引っ張ると相手のラインを切ることになります。
- ゴミは持ち帰る。 仕掛けの袋・お菓子のゴミ・空き缶を海に落とさない。
- 大きな魚が掛かったら声を出す。 「大物来てます!」と言えば、周囲が仕掛けを上げてくれる場合があります。
- 船長の指示には全部従う。 棚の指示、回収のタイミング、移動のアナウンスは全部安全と釣果のために出ています。
次の1歩
最初の 1 回が終わったら、次にやってみたいことから読み進めるのがおすすめです。