スルメイカの当たり年、主役は北へ
下田のピークアウトから10日、
鹿島368杯・三陸530杯へ
バトンが渡った

7月25日のコラムで、下田の 龍正丸が320杯を出した翌日に219杯へ反落したことを 「ピークアウトの兆し」と書いた。あれから10日。答え合わせをすると読みは当たっていたが、 当たり年そのものが終わったわけではなかった。主役の座が、静岡から茨城・三陸へ北上していたのだ。

答え合わせ:下田は「2束の海」から「束前後の海」へ

まず前回の予想の検証から。龍正丸下田)の 一番釣った人の数を日を追って並べると、7月22日の320杯を頂点に、下の表のようにはっきり山を下っている。

日付 トップの数 備考
7/22 320杯 2束超えが2人・束超え4人
7/23 219杯 前記事はここで「ピークアウトの兆し」
7/24 108杯 束超え2人
7/27 100杯 ぎりぎり束
7/28 45杯
7/31 92杯
8/3 101杯
8/4 51杯

100杯(束)超えが2人という日が続いた月中の勢いはなくなり、8月に入ってからは束に届くかどうかを行き来する水準になった。 神奈川のスルメイカも7月前半のトップ122杯から8月頭は41杯と同じ曲線を描いている。 ただし、これは「終了」ではない。昨年の静岡は8月いっぱい出船が続き最大181杯の記録も出ているので、 数の祭りが終わって安定期に入った、というのが正確なところだ。

入れ替わりに火がついた鹿島灘 ─ 8月1日に368杯

下田の山が下りはじめたのとちょうど同じ週、鹿島灘の半夜便(夕方に出て夜に帰る便)で ムギイカ(スルメイカの若いサイズ)の数字が一気に伸びた。 鹿島幸栄丸が7月23日に294杯で 「今シーズン1番」を更新すると、長岡丸が7月30日に256杯(乗船者平均でも102杯)、 那珂湊岡重丸が7月31日に313杯。 そして8月1日、第三幸栄丸(鹿島)でトップ368杯が出た。 電動リールに直結仕掛けの乗船者が多点掛けを連発したという。

興味深いのは、船長コメントがそろって月明かりと食いの関係に触れていること。 雨雲が月を隠している時間帯は「イカ祭り」になり、月が出ると食いが止まる。満月前後の7月29日には乗りの悪さに苦戦する船もあった。 夜の釣りだけに、月の明るさが群れの浮き沈みを左右しているようだ。この点は後述する8月の見通しに直結する。

三陸はさらに上 ─ サビキで竿頭530杯

さらに北、岩手の夜イカは数字の桁が違った。小白浜(釜石の南)の 健勝丸は7月24日、イカメタルの竿頭が300杯、 サビキ仕掛けの竿頭は530杯という当サイトの記録でも最大級の数字を出した。 7月19日の夜通し便では「計測不能なほど」で200杯超えという報告もある。 鬼沢慶漁丸も7月25日に 乗船者全員が200〜290杯という入れ食いを記録し、波が高くて湾内に逃げた日ですら束超えが出ている。 田老ゆたか丸も8月4日に150杯と、 三陸沿岸の広い範囲で群れが濃い。

現地ならではの注意もある。慶漁丸ではヨシキリザメに仕掛けを何度も切られたという報告が7月末から複数回出ており、 遠征するなら予備仕掛けは多めに持ちたい。数だけならイカメタルよりサビキが圧倒しているのも、 関東の乗り方との違いとして覚えておきたいところだ。

8月はこう動く ─ お盆はちょうど「月のない週」

夏のスルメイカは、黒潮に乗って成長しながら北上する群れを各地で迎え撃つ釣りだ。 南の海域から順にピークが通過していくので、7月末を境にした今回の主役交代は、いわば例年の教科書通りの動きが 当たり年のスケールで起きたものといえる。8月のピーク帯は茨城・三陸に移っており、この2エリアはしばらく数字が続くとみられる。

そして冒頭の月明かりの話。今年のお盆(8月13〜16日)は、ちょうど新月回りにあたる。 月齢は8月13日にほぼゼロ、15日でもまだ2程度と、月明かりのない暗い夜が休みの間ずっと続く。 船長たちが「月が隠れるとイカ祭り」と口を揃える条件が、連休にそのまま重なる形だ。

8月・お盆の動き方
  • 関東から日帰りで数を狙う → 鹿島・那珂湊の半夜ムギイカ。岡重丸は8月上旬の半夜出船を予告済み。夕方出船なので日中の猛暑も避けられる
  • 遠征して記録級を狙う → 三陸の夜イカ。数ならサビキ有利(530杯 vs メタル300杯)。サメ対策に予備仕掛けを多めに
  • 近場でのんびり → 静岡・神奈川は祭りのあとの安定期。束前後なら十分狙える水準が続く見込み
  • お盆(8/13〜16)は新月回りで夜イカの条件は最良クラス。人気の半夜便は席が埋まりやすいので予約は早めに

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