セールのときに買っておきたい
船釣りの消耗品リスト
釣果報告 7 万件から見る
「切られる・なくす・酔う・凍える」
Amazon のセールのように買い物の機会がまとまって来たとき、竿やリールより先に買い足しておきたいのが消耗品だ。 糸は切られ、オモリやルアーは海底に残り、酔い止めやカイロは使えばなくなる。 では実際の釣りで、何がどれくらい起きているのか。当サイトが集めている 2025 年 10 月〜2026 年 9 月の釣果報告 74,580 件の本文から、困りごとが書かれた報告を数え、 「何を、いつまでに」買っておくといいかを逆算した。
報告に出てくる「困りごと」
| 報告に出てくる話 | 報告 | 船宿 | 多い時期 | 買っておくもの |
|---|---|---|---|---|
| 寒さ・防寒 | 791 | 169 | 1 月 | 防寒着、グローブ、ネックウォーマー |
| 船酔い | 655 | 183 | 10 月 | 酔い止め |
| 高切れ・ラインブレイク | 511 | 119 | 11 月 | リーダー、道糸、スナップ |
| 根掛かり | 207 | 76 | 一年中 | オモリ、仕掛けの予備 |
| サワラなどに糸を切られる | 113 | 24 | 10 月 | 太めのリーダー、ルアーの予備 |
| ルアー・エギ・テンヤのロスト | 59 | 26 | — | ルアー・エギ・テンヤの予備 |
※ 当サイトで収集している全国の船宿の釣果報告(2025 年 10 月 1 日〜2026 年 9 月 30 日、74,580 件)の本文に、その話が出てくる報告の数と、書いた船宿の数。 「高切れ等は弁償」のように、同じ船宿が 3 回以上くり返している注意書きは除いた。 「多い時期」は、月ごとの便数の違いをならすため、1,000 便あたりの件数で比べた。
いちばん多いのは寒さで、次が船酔い、そして糸が切れる話。 どれも 100 隻を超える船宿の報告に出てきていて、特定の海や釣りものに限った話ではない。 しかも寒さとサワラなどのカッターは 10 月に急に増え、船酔いは 10 月に一年でいちばん多くなる。 秋のセールは、冬支度にちょうどいいタイミングというわけだ。
切られる:リーダーと道糸は「予備」まで
高切れ・ラインブレイクが書かれた報告は 511 件。釣りもの別に見ると、その魚が載った報告のうち糸が切れた話が出てくる割合は、 ブリ 5.2%、シイラ 5.0%、サワラ 4.3%、メジロ 4.0%と、上位に青物が並ぶ。 件数ではマダイが 215 件といちばん多く、大ダイが掛かったものの切られた、という報告もある。 11 月は 1,000 便あたり 9.1 件と、一年でいちばん多かった。
船宿の案内にも、糸についての注文はよく出てくる。羽田のかみやは、 高切れを防ぐために道糸の PE ラインを 3〜4 号で 300m 以上巻いてくるよう呼びかけている。 道糸が途中で切れると、その先の仕掛けやオモリもまとめて失う。道糸は傷んだら早めに巻き替え、リーダーは切られる前提で予備を持っておくと、釣りの途中で手が止まらない。
もうひとつ、10〜12 月に増えるのがサワラの「カッター」。鋭い歯でリーダーを切られることで、 サワラが載った報告の 6.8% に出てくる。10 月は 1,000 便あたり 4.9 件と一年でいちばん多く、 四日市のひろまるや鳥羽の強丸、 徳島・橘の清和丸の報告にも出てくる。 サワラの季節については三重のサワラはいつ釣れる?で詳しく書いた。
- なぜリーダーを付けるのか:船釣りの道糸に多い PE ラインは強いが、岩や魚の歯にこすれると切れやすい。先端に数 m の別の糸(リーダー)を結んで守る
- フロロカーボン:こすれに強く、水に沈みやすい。根の近くや青物狙いで使われることが多い
- ナイロン:しなやかで伸びがあり、急な引きを吸収しやすい
- 太さ(号数):釣りものと船宿の指定で決まる。サワラのように歯で切られる相手には、太めにしたり、先端に短い太糸を足したりする工夫がある
なくす:オモリと仕掛けは「多め」に
根掛かりが書かれた報告は 207 件(76 隻)。4 月を除けば季節を問わず 1,000 便あたり 2〜3.5 件ほど出てきて、 釣りもの別ではマダコ(2.9%)とマハタ・アカハタなどの根魚(2.2%)が多い。 岩場や根のまわりを攻める釣りほど、オモリやエギは海底に置いてくることになる。
船宿の案内は具体的だ。葉山の秀吉丸は、青物の回遊が多く仕掛けのロストが増えた時期に、 予備の仕掛けを最低 6〜8 組用意するよう呼びかけていた。若狭大島の海生丸も、 根掛かりに備えて仕掛けとオモリの予備を多めに、と案内している。 仙台湾・越ノ浦の快星丸のようにジグを無料で貸す船もあるが、なくした分は 1 個ごとに負担金がかかる。 泉州・小島の小島丸は、タチウオの多い日にテンヤのロストが続いたと書いている。
オモリの号数や仕掛けの形は、船宿や釣りものごとに指定がある。買いだめする前に、通う船の指定を確かめてからにしたい。
- 号数と重さ:オモリの 1 号はおよそ 3.75g。80 号ならおよそ 300g、150 号ならおよそ 560g になる。船宿の案内には「オモリ 150 号」(羽田のかみや)、「60 号・80 号」(石鏡の幸徳丸のヒラメ便)のように号数が書かれている
- 六角オモリ:断面が六角形で転がりにくく、船釣りで広く使われる形。テンビン仕掛けや胴突き仕掛けの指定でよく見かける
- 小田原型(小田原オモリ):細長い形で、岩の間に挟まりにくいとされ、根魚の胴突き仕掛けなどで使われる
- オモリが一体の物:タチウオのテンヤやタイラバのヘッドは、重さが号数やグラムで表示されている。底が取れる重さは潮の速さで変わるので、なくす前提で同じ重さを 2〜3 個と、重めのものも用意しておくと安心
- タコエギ:号数は重さではなく大きさを表す。根の周りを攻めるので、根掛かりでなくしやすい代表格
- ティップランのエギ:船を流しながら深いところまで沈めるため、重さを足して使う。専用のエギのほか、若狭湾の海生丸のように、2.5〜3 号のエギに 10〜30g のシンカー(おもり)を足すよう案内する船もある
根掛かりやロストが書かれた報告は、釣りもの別ではカサゴ・マハタなどの根魚、ヒラメ、カワハギ、タチウオにも多い。 仕掛けごと切れることがあるので、使っている仕掛けの予備は 1 回の釣行で 2〜3 組は持っておきたい。 下は、当サイトの仕掛けページで紹介している市販の仕掛けとルアーの例。ハリスの号数や針の大きさ、ルアーの重さは、船宿の指定に合わせて選んでほしい。
予備に持っておきたい仕掛け・ルアーの例を Amazon で見る
- 根魚五目仕掛け ハヤブサ 船極根魚五目 胴突2本鈎 Amazonで見る →
- ヒラメ泳がせ仕掛け ハヤブサ 船極 ヒラメ 固定式トリプルフック Amazonで見る →
- カワハギ仕掛け ダイワ 快適カワハギ 幹糸仕掛2 敏感 3本針 Amazonで見る →
- タチウオジグ(TG) ダイワ TGベイト タチウオ Amazonで見る →
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酔う:船酔いの話がいちばん多いのは 10 月
船酔いが書かれた報告は 655 件で、183 隻と最も多くの船宿の報告に出てくる。 月ごとに見ると、10 月が 1,000 便あたり 13.0 件でいちばん多く、4 月の 12.2 件がそれに続いた。 いちばん少ない 2 月(3.0 件)の 4 倍以上だ。秋は台風や低気圧のあとのうねりが残りやすいことが、 理由のひとつとみられる。
酔い止めは市販薬なので、飲むタイミングや量は薬の説明書に従い、心配があれば薬剤師に相談してほしい。 前の日の過ごし方を含めた対策は、はじめての船釣りガイドの「酔い止めと船酔い対策」にまとめている。
凍える:寒さの話は 10 月に増え始め、1 月が山
寒さ・防寒が書かれた報告は 791 件で、困りごとのなかでいちばん多い。1,000 便あたりの件数で並べると、季節の進み方がよく見える。
| 月 | 1,000 便あたり |
|---|---|
| 7 月 | 1.0 |
| 9 月 | 4.0 |
| 10 月 | 15.4 |
| 11 月 | 12.6 |
| 12 月 | 25.9 |
| 1 月 | 40.6 |
| 2 月 | 27.4 |
| 3 月 | 16.3 |
※ 寒さ・防寒が書かれた報告の数(同じ船宿の決まり文句は除く)を、その月の報告 1,000 件あたりに直した値。2025 年 10 月〜2026 年 9 月。
9 月の 4.0 件から 10 月に 15.4 件へ一気に増え、12 月 25.9 件、1 月 40.6 件で山を迎える。 真夏の 7 月(1.0 件)と比べると 40 倍だ。海の上は風をさえぎる物がなく、夜のイカ釣りや早朝便は陸より体感温度が下がりやすい。 防寒着や手袋は本格的に寒くなる前の秋のうちに、カイロのような使い切りの物はまとめて、が冬の釣りの段取りになる。
- いちばん外は「透湿防水」の上下:しぶきや雨を通さず、汗の湿気は外へ逃がす素材。防水だけの雨合羽は中が蒸れて、汗が冷えると寒くなる
- 中は重ね着で調整:日が昇ると暖かくなるので、厚手 1 枚より脱ぎ着できる重ね着のほうが扱いやすい
- 手袋は指先の出るタイプも:仕掛けを結ぶ、エサを付けるといった細かい作業がある
- カイロは貼るタイプと貼らないタイプ:背中や腰には貼るタイプ(肌に直接は貼らない)、手を温めるには貼らないタイプが使いやすい
買う前に確かめておきたいこと
- 号数・重さは船の指定に合わせる:オモリ、道糸、リーダーの太さは船宿や釣りものごとに決まっていることが多い
- 竿とリールは急がない:貸し道具のある船宿なら、まずは借りて、続けると決めてから買っても遅くない
- 使い切る物から先に:リーダー、仕掛け、オモリ、カイロは、次の釣行で必ず減る
- 価格と対象商品は Amazon のページで確かめる:セールの対象や値段は日々変わる
2026 年の Amazon の「プライム感謝祭」は、10 月 16 日(金)0 時から 19 日(月)23 時 59 分まで開かれる(Amazon の発表による)。 セール期間に限らず、冬の釣りに出る前に、切られる・なくす・酔う・凍えるの 4 つへの備えを一度点検しておくのがこの記事の提案だ。
まとめ
- 釣果報告 74,580 件のうち、寒さの話は 791 件、船酔いは 655 件、糸が切れる話は 511 件。どれも 100 隻を超える船宿の報告に出てくる
- 糸が切れる話は青物に多く、11 月に最多。サワラに糸を切られる話は 10 月に最多
- 根掛かりは一年中。マダコや根魚を狙うなら、オモリとエギの予備は多めに
- 船酔いの話は 10 月がいちばん多く、寒さの話は 10 月に増え始めて 1 月が山
- 買いだめは「使い切る物」から。号数は通う船の指定を確かめてから