兵庫の船宿の選び方
明石・淡路島・神戸・播磨・但馬の 13 隻、
瀬戸内と日本海で変わる得意な釣り
兵庫は、瀬戸内と日本海の 2 つの海に面しためずらしい県だ。 当サイトで釣果を追える船宿は、瀬戸内側の明石・神戸・淡路島・播磨に 11 隻、日本海側の但馬に 2 隻。 同じ県でも、海が違えば釣りものも釣り方もまったく変わる。 「この魚を、この時期に釣りたいなら、どのエリアのどの船か」を整理してみる。
エリアごとの性格
瀬戸内側の 4 エリアは、潮の速い海峡や灘を舞台に、マダイ・タチウオ・アオリイカ・青物・マダコを季節ごとに追う。 日本海側の但馬は、夏の夜にイカを集魚灯で寄せて釣るイカメタルと、秋から冬のブリ・メジロが二本柱になる。 まずはエリアごとの船の顔ぶれを見ておこう。
| エリア | 船宿 | 港 | 得意な釣りもの |
|---|---|---|---|
| 明石 | 魚英 | 明石 | 秋のジギング船。ブリ 80〜106 cm とサワラ 72〜95 cm が並ぶ |
| 明石 | 名田屋 | 明石 | 明石沖のノマセ(青物)、神戸沖のタチウオ、淡路沖のアオリイカ(朝便・半夜便) |
| 明石 | 海蓮丸 | 明石 | タチウオ便、一つテンヤのマダイ、朝と夜のアオリイカ便 |
| 明石 | 阪本丸 | 明石 | 5〜8 月のマダコ。秋は一つテンヤとアオリイカ |
| 明石 | 岩澤丸 | 東二見 | 神戸沖のタチウオ(冷凍イワシのエサ)、活きた小アジのノマセでハマチ |
| 神戸・阪神 | 斎藤丸 | 尼崎 | 午前のタチウオ便(〜95 cm)、午後のアジ便(20〜32 cm、サバ交じり)、サゴシのキャスティング便 |
| 淡路島 | 明陽丸 | 福良 | 鳴門海峡。冬のヒラメ、春のメバルとタイサビキ、初夏のノマセ、夏の落とし込み |
| 淡路島 | 皇 | 福良 | ジギング・タイラバ・ノマセ。マダイ、サワラ、秋のタチウオ |
| 淡路島 | 北斗 | 育波 | 5〜8 月のマダコ、夏の落とし込み、秋のノマセとティップラン(アオリイカ) |
| 淡路島 | 三幸丸 | 育波 | 落とし込みと喰わせサビキの五目(ブリ・ヒラメ・アコウ)、秋からノマセ |
| 播磨 | S-style | 相生 | 冬〜夏のタイラバ(マダイ)、9〜12 月のティップラン(アオリイカ)、初夏のアコウ便 |
| 但馬 | 順栄丸 | 柴山 | 夏のイカメタル(ケンサキイカ)、初夏のイサギ、晩秋の青物、早春のガシラ・マフグ |
| 但馬 | 日光丸 | 香住 | 夏の夜のイカ便、秋のイワシの落とし込み(青物・マダイ) |
- 明石(瀬戸内(明石海峡)):船の数がいちばん多い。ひとつの船宿が朝・昼・夜で釣りものを変えて何便も出すのが特徴
- 神戸・阪神(瀬戸内(大阪湾奥)):午前と午後で便を分け、短い時間で気軽に乗れる
- 淡路島(瀬戸内(播磨灘・鳴門海峡)):イワシを針に掛けて落とす「落とし込み」と、生きた小魚をエサにする「ノマセ」が夏から秋の主役
- 播磨(瀬戸内(播磨灘)):タイラバとティップランの専門色が強い
- 但馬(日本海):瀬戸内とは釣りものがまったく違う。夏の夜のイカ釣りと、秋から冬の青物が二本柱
※ 当サイトの釣果データベース(各船宿の釣果報告。古い船は 2024 年 1 月から、新しく追い始めた船は 2026 年 9 月から)より。 得意な釣りものは報告に多く出てくる便や魚を書いたもので、船宿が出している便のすべてではない。
明石:1 日に何便も出る「便の多さ」が強み
明石の船宿は、朝・昼・夜で釣りものを変えて何便も出すところが多い。 たとえば名田屋は、10 月 1 日の 1 日だけで 明石沖のノマセ(青物)、神戸沖のタチウオ、淡路沖のアオリイカ(朝便と半夜便)を出している。 タチウオ便は竿頭 60 匹の日もあり、アオリイカは淡路沖が 10 月 1 日に解禁になったばかりだ。
海蓮丸は一つテンヤのマダイが好調で、 10 月 2 日の乗合便は船中でマダイ 71 枚、竿頭 12 枚。翌 3 日も最大 60 cm を含めて船中 40 枚だった。 青物狙いなら魚英のジギング船で、9 月末から 10 月初めにかけて ブリが 1 日 4〜10 本、サワラが 8〜14 本、最大で 106 cm のブリが出ている。
夏のマダコは阪本丸が 5 月から 8 月まで、およそ 100 日のタコ釣りシーズンを走りきった。 明石の西隣、東二見の岩澤丸は 神戸沖のタチウオ(9 月下旬に 31〜43 匹)と、活きた小アジをエサにしたハマチ狙いが中心だ。
神戸・阪神:半日で気軽に
尼崎の斎藤丸は、 午前がタチウオ、午後がアジという半日便の組み合わせが基本。 10 月 3 日は午前のタチウオが最大 95 cm・多い人で 62 匹、午後のアジは 20〜31 cm にサバ 35〜40 cm が交じった。 都市部から近く、初めての船釣りにも選びやすい。
淡路島:落とし込みとノマセの島
淡路島の船は、夏にイワシの落とし込み、秋から冬にノマセへ切り替えていくのが共通の流れ。 落とし込みは、サビキの針にイワシを掛け、そのまま底まで落として下にいる魚に食わせる釣り。 ノマセは、生きたアジやイワシをエサにしてヒラメや青物を狙う釣りだ。
南端の福良は鳴門海峡が目の前で、 明陽丸は 2024 年 1 月から 2 年以上の記録を追える、兵庫でいちばん報告の厚い船のひとつ。 冬のヒラメから春のメバルまで、一年の流れは鳴門海峡・福良の船釣りカレンダーにまとめた。 西海岸の育波では、北斗が 5〜8 月のマダコ(2〜3 kg の大ダコも)から 落とし込み、ノマセ、10 月からはティップランのアオリイカへと順に切り替え、 三幸丸は落とし込みでブリ・ヒラメ・アコウ(キジハタ)・シオ(カンパチの若い個体)を五目で狙う。
播磨:タイラバとティップランの専門船
相生のS-styleは、 冬から夏にかけてタイラバでマダイ、9 月から 12 月はティップランでアオリイカという、ルアー釣りの専門色が強い船だ。 秋のアオリイカは 1 kg を超える大型の報告がたびたび出てくる。2025 年からは、初夏に生きたエサでアコウ(キジハタ)を狙う便も始めた。 なお、当サイトで追えている報告は 2025 年 10 月までで、最新の状況は船宿のサイトで確かめてほしい。
但馬:日本海の夏のイカと、晩秋の青物
日本海側の柴山の順栄丸は、 夏の夜のイカメタルでケンサキイカ(地元ではシロイカ)が 1 人 100 杯を超える日がある。 初夏はイサギ、11〜12 月はブリ・メジロ・ハマチが 1 日 30〜50 匹と、季節ごとに主役がはっきり入れ替わる。 一年の流れは但馬・柴山の船釣りカレンダーで詳しく書いた。 香住の日光丸も、夏は夜のイカ便、秋はイワシの落とし込みで出ている。
- マダイ:秋の一つテンヤなら明石、春のタイサビキや夏の落とし込みなら福良、タイラバなら相生
- タチウオ:9〜10 月の明石・東二見・尼崎。神戸沖が主な釣り場
- アオリイカ:10 月からの淡路沖(明石・育波の船)、播磨のティップラン
- 青物(ブリ・メジロ・サワラ):秋の明石のジギング、晩秋の但馬
- マダコ:5〜8 月の明石と育波
- イカの数釣り:6〜9 月の但馬の夜のイカメタル
これからどうなりそうか
10 月の瀬戸内は、アオリイカの解禁、タチウオの最盛期、ノマセの青物が重なる、一年でいちばん選択肢の多い時期だ。 淡路島ではイワシの落とし込みが終わり、ノマセ釣りに切り替わったところ。 11 月に入ると瀬戸内はヒラメと青物、日本海側の但馬はブリ・メジロの季節へ移っていく。 同じ兵庫でも、秋は瀬戸内、真夏の夜は日本海と覚えておくと、船選びの見通しが立てやすい。
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