船から狙うカツオ
─ コマセとルアーの基本と、
相模湾・松輪・内房でずれる本番

カツオは、群れに当たるかどうかがその日のすべてを決める釣りだ。 船は無線で群れを追いかけ、当たれば短時間で勝負がつき、外せば移動を繰り返す。 腕よりも「その日そこに魚がいたか」の比重が大きいぶん、 どのエリアにいつ行くかの判断がそのまま釣果に直結する。 直近2年のデータを見ると、相模湾の本番は8月、三浦半島の松輪も8月、 ところが千葉・内房は11月が最多と、同じ関東で本番が2〜3か月ずれている。 本ガイドではコマセとルアーの基本を押さえたうえで、そのずれを整理する。

仕掛けは大きく2系統

船のカツオ釣りは コマセルアー に分かれ、 船宿ごとにどちらで出すかが決まっている。 コマセはオキアミを撒いて船の周りに群れを足止めし、その中で付け餌を食わせる釣り。 ルアーは群れを見つけて投げる(キャスティング)か、船下を探る(ジギング)。 同じ港でも船によって分かれるので、予約時に必ず確認する。

項目コマセルアー
竿コマセ青物 2.4〜2.7m、胴のあるものキャスティング 7〜8ft/ジギング 6ft前後
リール中型両軸 または小型電動スピニング 6000〜8000番
道糸PE 4〜6号PE 2〜4号
ハリス/リーダーフロロ 8〜12号、3〜5mフロロ 30〜50lb
ルアー/針ムツ針 16〜18号ほか船宿指定シンキングペンシル・ジグ 60〜120g
オキアミ(船宿支給が多い)
あると安心大型クーラー(35L以上)、氷、フィッシュグリップ、日焼け対策

コマセの基本は ビシ仕掛けの解説、 ルアーで船下を探る釣りは ジギングの解説 も参照。

基本の流れは「群れを待って、短時間で勝負」

  1. 船が群れを探して走る。この間に仕掛けの準備を終えておく
  2. 船長の合図で一斉に開始。 出遅れると時合を丸ごと逃す
  3. コマセなら指示ダナでコマセを振り、付け餌を同調させて待つ
  4. ルアーなら群れの先(進行方向)へ投げ、着水後すぐ速く巻く
  5. 掛かったら周りと糸を絡めないよう、竿を立てて一定速度で寄せる

カツオ船で差が出るのは 準備の速さ。 群れが船の近くにいる時間は数分のこともあり、 そこで仕掛けを結んでいると1投も投げられずに終わる。 走っている間に結び直し、ドラグを確認し、いつでも投げられる状態にしておく。 取り込み後も手早く次を投げられるよう、クーラーと手拭きの位置まで決めておくと違う。

釣れる時期 ─ 関東の中でも2〜3か月ずれる

直近2年に記録されたカツオ便は全国で673出船。8割が相模湾に集まるが、 月別に並べるとエリアごとに本番の時期がはっきり違う。

エリア 5月6月7月8月9月 10月11月12月期間合計
相模湾533321741111204518538
三浦半島02340200047
千葉00038818744
静岡0121543016

直近2年(2024年9月以降)に釣果が記録された出船数。数字は「その月に何回カツオ船が出たか」で、釣れた数ではない。

相模湾は6月に走り出して 8月に174出船のピーク、 そこから9月111・10月120と高い水準が長く続く。 「夏の魚」というより 夏から秋いっぱいの魚 で、 11〜12月にも記録が残る年がある。

三浦半島は8月の40出船にほぼ全部が集まり、9月にはもう静かになる。 逆に千葉・内房は 11月が18出船で最多 と、相模湾のピークから3か月遅れ。 秋が深まってから動き出すので、相模湾が終わりかけた頃に内房が始まる、という順番になる。 シーズン終盤に「今年はもう無理か」と諦める前に、エリアを変える選択肢がある。

エリアごとの最新の釣果と船宿の並びは、それぞれの詳細ページで確認できる。

件数は直近2年に釣果が記録された出船数。

エリアごとの違い

出船数で他を圧倒
相模湾
茅ヶ崎・葉山・福浦

直近2年で538出船と、全国のカツオ便の8割。 沖右ヱ門丸茅ヶ崎)が87出船、 秀吉丸葉山)が81出船、 長三朗丸(葉山)が59出船。 2026年8月2日にゆうせい丸(茅ヶ崎)で22本。 船数が多く、群れの情報が回るのが最大の強み

8月だけの短期決戦
三浦半島
松輪・長井

47出船のうち40が8月。 大松丸正海丸(ともに松輪)が中心で、 2026年8月11日に正海丸で11本、同2日に大松丸で10本。 期間が短いぶん、8月は狙い撃ちで予約する 価値がある。

晩秋が本番
千葉・内房
勝山

萬栄丸勝山)が42出船とほぼ単独で支えている。 11月が最多で12月まで記録が続き、2025年9月27日に16本。 相模湾のピークが過ぎてから動き出すので、 秋の遠征先として組み合わせやすい

秋にぽつぽつ
静岡
伊豆半島・駿河湾

16出船と数は少ないが、9〜11月に分散して記録がある。 ふじなみ丸(安良里)など、 他の魚を狙う乗合の中で顔を出す形が多い。 カツオ専門で組むより、青物との リレー便を選ぶほうが現実的

データで見る好調船

直近2年でカツオ便の出船数が多い船宿と、その期間に記録された最多本数を並べた。

船宿出船数期間内の最多
沖右ヱ門丸茅ヶ崎8720本(2025-10-31)
秀吉丸葉山8116本(2025-10-08)
長三朗丸葉山5917本(2025-09-25)
ゆうせい丸茅ヶ崎5822本(2026-08-02)
五エム丸葉山5616本(2025-09-21)
萬栄丸勝山4216本(2025-09-27)
大松丸松輪1610本(2026-08-02)
正海丸松輪1411本(2026-08-11)

「期間内の最多」は、その船宿の釣果報告に記録された1日あたりの上限値。 報告の書き方は船宿ごとに違うので、船同士を単純比較する数字ではない。

重さの記録では中央値が3.8kg前後、最大は12.9kg。 シーズン後半になるほど大型が混じり、キハダマグロが同じ船で上がる日もある。

よくある質問

カツオ船はいつからいつまで出ますか?
相模湾は5月末から12月まで記録があり、8月が最も多く、9〜10月まで高い水準が続きます。三浦半島(松輪)は8月に集中し、千葉・内房は11月が最多で12月まで続きます。同じ関東でも本番の時期が2〜3か月ずれるので、シーズン終盤に「もう終わった」と思っても、別のエリアではこれからということがあります。
コマセとルアー、どちらの船を選べばいいですか?
船宿ごとにどちらで出すかが決まっているので、予約時の確認が必要です。コマセ(オキアミを撒いて食わせる釣り)は仕掛けが決まっていてレンタルもしやすく、初挑戦向き。ルアー(キャスティング・ジギング)は自分で群れを狙って投げる楽しさがありますが、専用タックルが要ります。同じ港でも船によって分かれます。
どのくらいのサイズが釣れますか?
重さの記録が残っている釣果でみると、中央値は3.8kg前後、最大は12.9kgでした。2〜4kgのいわゆる「本ガツオ」サイズが標準で、シーズン後半になるほど脂の乗った大型が混じります。数は1人0〜数本が普通で、群れに当たった日は10本を超えます。

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