赤羽根に今季初カンパチ、竿頭40匹
台風明けは15匹 ─
濁りが分けた愛知の8月末

渥美半島・赤羽根のぽん助丸に、8月19日今季初のカンパチが入った。 35cm前後の良型で40cmオーバーも交じり、竿頭は40匹前後。 ところが台風が抜けた8月27日、同じカンパチ狙いは濁りに阻まれて竿頭15匹前後。 同じ日の愛知には、その影響をほとんど受けずに数を伸ばした釣りもあった。

今季初のカンパチは「数が出る」タイプだった

8月19日、ぽん助丸が報告した今季初のカンパチは、35cm前後を主体に40cmを超える個体も交じるサイズ感で、 竿頭は40匹前後。単発の大物ではなく、数を釣らせるタイプの群れが赤羽根の前に入ったことになる。 ぽん助丸は8月中旬以降の愛知でもっとも出船数が多い1隻で、この期間だけで42便を出している。

その後の推移は素直ではない。8月24日は魚っ気が薄く、釣った人とそうでない人の差が開く一日になり、 台風の接近でいったん出船を止めている。再開した8月27日は海に濁りが残り、 カンパチの食いが渋って竿頭15匹前後。同じ船・同じ狙いでも、8日の間に数字は3分の1近くまで振れた。

カンパチが差してきたのは渥美半島だけではない。師崎の荒ますつり船は 8月26日にカンパチの姿を確認しながら取り込みには至らず、代わりにクエを釣り上げている。 翌27日の仕立て船では、カンパチ・ヒラメ・オオモンハタ・アオハタと魚種が並んだ。 篠島の美宝丸でも8月25日のウタセ釣りでシオ(カンパチの若魚)が2本上がっており、 伊良湖水道から三河湾の入口にかけて、この魚が広く入り始めているのが分かる。

台風をまたいだ3日間を、船をまたいで並べる

面白いのは、濁りの効き方が釣りものによってはっきり違ったことだ。 8月25日から27日までの報告を、船と釣りものを横に並べてみる。

日付 船宿(港) 主な釣りもの 釣果報告から
8/25 荒ますつり船(師崎) スルメイカ 全員が50杯超え
8/25 勇生丸(一色) ケンサキイカ トップ42杯(初心者2名を含む)
8/25 美宝丸(篠島) ウタセのマダイ五目 マダイ7枚ほど(52cm含む)、シオ2本、ハマチ1本
8/26 勇生丸(一色) うねりで濁り、キャッチは2杯
8/26 荒ますつり船(師崎) カンパチ 姿を見せたのみで取り込めず、クエが交じる
8/27 ぽん助丸(赤羽根) カンパチ 竿頭15匹前後(濁りで食い渋り)
8/27 忠栄丸(片名) タチウオ 午後の短時間便でトップ46本・次点33本
8/27 隆盛丸(西浦) マダイ 船中7匹、最大79cm
8/27 久六釣船(師崎) マアジ 潮時にはダブル・トリプル
8/27 荒ますつり船(師崎) 仕立ての五目 カンパチ・ヒラメ・オオモンハタ・アオハタ

※ 2026年8月の各船の釣果報告より。釣果はその日いちばん釣った人(竿頭)の数字が中心で、乗船者全員の平均ではない。 釣りものの表記は船宿の報告に合わせている。

イカ狙いの落差がいちばん大きい。勇生丸は8月25日の夜、 ケンサキイカでトップ42杯と順調に釣らせていたが、翌26日はうねりで海が濁り、水面でのバラシも出てキャッチは2杯。 同じ25日、師崎の荒ますつり船ではスルメイカを全員が50杯超えという乗りだったから、 直前まで群れがいなかったわけではないだろう。片名の豊丸は26日、 波浪注意報の白波の中でタチウオ用の生き餌の小アジが確保できず、冷凍イワシで代用している。 豊浜の竜宝丸は27日に予約が入らず休船となった。海況が予定そのものを削った形だ。

一方で、27日にしっかり釣果を残した釣りもある。伊良湖沖でテンヤのタチウオを専門にしている 忠栄丸は、午後の短時間便でトップ46本・次点33本という乗り。 西浦の隆盛丸は潮が速い中を鯛ラバで拾い、 船中7匹・最大79cmのマダイを引き出した。師崎の久六釣船では タイサビキのマアジが潮時にダブル・トリプルで上がり、内海のありもと丸も マダイが入れ食う時間帯を作っている。餌で底や中層をていねいに探る釣りは、視界が悪くても成立していた。

水温のほうは動いていない。久六釣船が伊良湖沖で毎日記録している水温は、8月20日から27日までずっと27度。 つまりこの数日で変わったのは水の温度ではなく、濁りとうねりだったことになる。 目で餌を追う青物やイカに影響が出て、匂いや波動で食わせる釣りが残ったという説明は、この並びと矛盾しない。

台風明けの愛知に行くなら
  • 濁りが残る日は青物と夜のイカが落ちやすい。同じ船・同じ狙いでも数字が数分の一になる日がある
  • タチウオ・マダイ・マアジは濁りが抜けきらない日でも釣果が出ている。狙いを切り替えられる船だと外しにくい
  • 波浪注意報の翌日は生き餌の小アジが用意できず代用餌になることもある。予約時に釣りものと餌の状況まで聞いておきたい

9月に向けて ─ カンパチはまだ入り口

今季初のカンパチが8月19日、シオが8月25日、そして27日の仕立て船ではオオモンハタ・アオハタまで顔を出した。 魚種の並びだけを見れば、愛知の南寄りの海はまだ夏のままだ。 荒ますつり船は8月28日に泳がせでカンパチとヒラメを狙う予定を告知しており、 今季初の群れが一時の通過だったのか、これから厚みを増すのかは、9月最初の数便で見えてくるはずだ。

濁りが抜けたときにカンパチの尾数がどこまで戻るか。8月19日の40匹前後という数が、 しばらくは比較の物差しになる。

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