波2.5mの日に8種類
日和佐・勝丸、水温29℃で
入れ替わった
南阿波の夏の顔ぶれ

徳島・日和佐の勝丸(丸さんの釣船)が8月27日、 南寄りのやや強い風で波が2.5mから2mへ落ちる潮止まりという、決して楽ではない海況のなかで シオ7本(40cm)、マダイ65cm、ハガツオ45cm、オオモンハタとアカハタなど8種類を持ち帰った。 8日前の同じ船の釣果はアジとチダイとイサキが主役だった。水温が27.8℃から29℃台に乗るあいだに、 南阿波の海の顔ぶれは静かに入れ替わっていた。

9日間、同じ船で何が釣れたか

日和佐は徳島県南部・南阿波の港。ここの乗合は2〜4人の少人数で出ることが多く、 1日の釣果報告に何種類の魚が並ぶかで、その日の海の状態がかなり素直に見える。 8月19日から27日までの報告を、水温とともに並べてみる。

日付 船宿(港) 水温 その日釣れた魚 釣果報告から
8/19 勝丸(丸さんの釣船)(日和佐) 27.8℃ アジ 6匹(30cm)/チダイ 10匹まで(25〜35cm)/シオ 4本(35〜40cm)/イサキ 4匹(25〜30cm)/キダイ 雨のち曇り晴れ、波1.5m、下り潮。3名で出船
8/20 勝丸(丸さんの釣船)(日和佐) 28.7℃ イサキ 10〜20匹(25〜38cm)/マダイ 50cm 1枚/チダイ 35cm/メイチダイ 30cm/アジ(30〜35cm)/サバ 晴れ、そよ風、波1m。3名で出船
8/21 勝丸(丸さんの釣船)(日和佐) 29.0℃ イサキ 20匹(30〜38cm)/アジ 10匹(30〜35cm)/マダイ 30cm 2枚/メイチダイ 30cm 2匹/シオ 40cm/チダイ/サバ 2名で出船。7種類が顔をそろえた日
8/22 勝丸(丸さんの釣船)(日和佐) 29.3℃ イサキ 各自20〜30匹(27〜40cm)/アジ 10匹(30cm)/チダイ/サバ 2名で出船。この9日間で水温がいちばん高かった日
8/23 勝丸(丸さんの釣船)(日和佐) 28.6℃ イサキ 13匹(30〜38cm)/チダイ 10匹(25〜35cm)/イトヨリダイ 40cm/アジ(25〜30cm)/キダイ/サバ 2名で出船
8/27 勝丸(丸さんの釣船)(日和佐) 28.9℃ シオ 7本(40cm)/オオモンハタ 2本(40cm)/アカハタ 2本(35cm)/マダイ 65cm 1枚/ハガツオ 45cm/イサキ 35cm/チダイ/スマガツオ 南寄りのやや強い風、波2.5m→2m、潮止まり。4名で出船

※ 2026年8月の勝丸(丸さんの釣船)の釣果報告より。数量はその日いちばん釣った人(竿頭)の数字が中心で、 乗船者全員の平均ではない。魚の呼び名は釣果報告の記載に従っている(シオはカンパチの若魚)。

27.8℃から29.3℃へ ─ 上がりきったところで主役が交代した

8月19日の水温は27.8℃。この日の釣果はアジ30cmが6匹、チダイが25〜35cmで10匹まで、 イサキは25〜30cmが4匹と、数も型もおとなしい。それが20日に28.7℃、21日に29.0℃、22日に29.3℃と上がるにつれ、 イサキが27〜40cmで各自20〜30匹まで伸びた。同じ港から同じ根を叩いていても、 水温が1.5℃動いただけで釣れ方はここまで変わる。

面白いのはその先だ。29.3℃まで上がった水温は23日に28.6℃へいったん下がり、27日は28.9℃。 数字だけ見れば元に戻ったように見えるが、27日に釣れた魚はまるで違った。 シオが7本まとまり、40cmのオオモンハタと35cmのアカハタというハタの仲間が並び、 45cmのハガツオとスマガツオまで交じった。9日間でいちばん大きいマダイ65cmが出たのもこの日だ。 南寄りの風で波は2.5mから2mへ、しかも潮止まり。数を稼ぐ条件ではないはずが、 釣れた魚の種類はこの期間で最も多かった。高水温がひと通り海を温めたあと、 暖かい潮に乗ってくる魚が根の上に居着いた、という読み方ができる。

晩夏の南阿波に行くなら
  • 数を狙うならイサキ。水温が29℃前後に乗った日に27〜40cmが各自20〜30匹という報告が出ている
  • 波が残る日・潮が動かない日でも、根まわりのハタやシオ(カンパチの若魚)で一発がある。数だけで日を選ばない
  • 1便でアジ・イサキ・マダイ・チダイ・メイチダイ・ハタと顔ぶれが変わる海。仕掛けとハリスは何段階か用意しておきたい

橘の沖でも同じことが起きている

魚の入れ替わりは日和佐だけの話ではない。同じ南阿波の橘から出る 清和丸も、 8月後半は落とし込みやノマセ、ジギングでシオ(カンパチの若魚)を中心に釣り続けたが、 21日には大型のオオモンハタとヒラメ1枚が交じり、23日は90cm級のブリとヒラメ3枚、キジハタ1本まで顔を出した。 25日は波が高くなるなかで後半に食いが立ち、メジロ7本と大型のサワラ1本。 青物・根魚・南方系の魚が同じ日に並ぶという点で、日和佐の27日とよく似た構図だ。

一方で、天秤仕掛けのデカアジ・イサキ狙いも橘では続いており、8月19日には40cmクラス中心・最大45cmのアジと イサキを合わせて竿頭100匹という報告が出ている。数の釣りと、種類の釣り。 8月後半の南阿波はこの2本立てで、どちらを選ぶかで持ち帰るクーラーの中身がまったく変わる。

9月に入れば水温はゆっくり下がり始める。今の28〜29℃台が保たれるうちはハタやカツオの仲間が根に付いたままだろうが、 水温が落ちてくればマダイやチダイの数が戻り、青物のサイズも上がってくるはずだ。 振るわない日ももちろんあるが、この海は「何が釣れるか分からない」ことのほうが持ち味になっている。

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