ヤリイカからスルメイカへ
2026年の「バトン」はエリアで1ヶ月ずれた

3月はヤリイカが独占し、4月に駿河湾と相模湾でムギイカが爆発して先行、 外房南だけ5月末まで粘り、6月にバトン完了——ただし秋は10月に再び拮抗し、 11月からヤリイカが戻ってくる。 2025〜2026年1,400件超のデータで、イカ2種の「季節交代」をエリア別に読む。

1. 月別出船件数で見る「年間バトン」(2025年)

2025年を通じてヤリイカとスルメイカの出船件数を並べると、交代の瞬間がはっきり見える。 1〜3月はヤリイカが月間27〜60件で主役を張り、3月末を境にほぼゼロへ落ちる。 4月にムギイカ(スルメイカの若魚)が51件で急浮上し、5月以降スルメイカが115件でトップに立つ。 秋は10月に再び31件対35件で拮抗し、11月にヤリイカが64件へ増えて主導権が入れ替わる。

ヤリイカ スルメイカ(ムギイカ含む)
1月
27 / 31
2月
60 / 3
3月
58 /
4月
14 / 51
5月
/ 115
6月
/ 109
7月
/ 110
8月
/ 97
9月
/ 74
10月
31 / 35
11月
64 / 29
12月
58 / 27

2025年月別出船件数。対象:神奈川・千葉・静岡・茨城の主要船宿。

2. 2026年は「遅い春」─ ヤリイカが5月まで健在

2025年は4月にスルメイカが51件対ヤリイカ14件と一気に逆転したが、 2026年の4月はヤリイカ49件・スルメイカ36件でヤリイカが逆に優勢だった。 外房南(大原・勝浦)の船宿が春ヤリイカを1ヶ月以上延長させた格好で、 5月でもヤリイカ52件・平均19.6尾を記録。 スルメイカへの完全移行は6月にずれ込み、バトンは2025年より約1ヶ月遅かった。

ヤリイカ(出船件数) スルメイカ(出船件数)
2025年 2026年 2025年 2026年
1月 27 27 31 29
2月 60 53 3 31
3月 58 43 16
📍 4月 14 49 51 36
📍 5月 52 115 155
6月 2 109 10

📍 ハイライト行(4〜5月)が2025年と2026年で傾向が逆転した月。 2026年4月はヤリイカが49件と前年の3.5倍。 2026年6月は6/22時点の速報値。

3. エリア別「切替タイミング」

同じ「ヤリイカ→スルメイカ」でも、エリアによって切替の時期とパターンが大きく違う。 鹿島灘はスルメイカがそもそも来ない「ヤリイカ専門」、 伊豆半島は秋冬にヤリイカが戻る「逆バトン」もある。

鹿島灘・北茨城

ヤリイカ専門
ヤリイカ時期
1〜3月(〜4月上旬)
スルメイカ時期
ほぼ記録なし

第三幸栄丸など60日出船(平均8.8尾)。4月以降はイカ便自体が休業し、スルメイカの記録は極めて少ない。

相模湾東(葉山・逗子)

4月に切替
ヤリイカ時期
1〜3月
スルメイカ時期
4月末〜(ムギイカ→スルメイカ)

長三朗丸が3月末でヤリイカ終了、4月末からムギイカ開幕。年間250日以上出船し、両種をまたぐ切替の目安になる。

外房南(大原・勝浦)

5月末に交代
ヤリイカ時期
3〜5月末
スルメイカ時期
6月〜(和八丸が通年主力)

2026年は義丸・勝丸が5月末まで継続。相模湾東より1ヶ月遅い。スルメイカは和八丸が年間184日出船で通年対応。

駿河湾(沼津・静浦)

ムギイカ先行
ヤリイカ時期
(ヤリイカの記録なし)
スルメイカ時期
4月〜「ムギイカ」・7月〜「スルメイカ」に呼称移行

勘栄丸4〜9月稼働。春はムギイカ平均40尾超、7月以降スルメイカ平均50尾超。関東圏で最も早く始まるエリア。

伊豆半島(下田・稲取)

夏秋が本番
ヤリイカ時期
9月〜翌2月(秋冬)
スルメイカ時期
6〜10月(平均50〜130尾)

とび島丸のスルメイカ平均130.7尾は全エリア最高水準。9〜10月はヤリイカとスルメイカが同時期に重なる唯一のエリア。

内房(木更津・勝山)

通年スルメ
ヤリイカ時期
2〜3月・10〜12月
スルメイカ時期
1月からの通年(冬スルメも活発)

萬栄丸は1月からスルメイカが活発(冬スルメ)。ヤリイカとスルメイカが最も長く並走するエリア。

4. 「ムギイカ」と呼ばれるスルメイカの若魚(駿河湾)

駿河湾(沼津・静浦)では4月ごろから「ムギイカ」として出船が始まる。 スルメイカの若魚で体長15〜20cm前後。7月頃に「スルメイカ」に呼称が変わり、秋には50尾超が普通になる。 他エリアより1〜2ヶ月早く始まる「先行シーズン」として、関東圏のスルメイカ情報の最初の指標になる。

出船数
2025年
平均尾数
2025年
出船数
2026年
平均尾数
2026年
4月 44 54.5尾 32 38.1尾
5月 81 42.5尾 70 29.6尾
6月 24 37.8尾 3 16.3尾

駿河湾エリアのムギイカ便。2026年は2025年比でやや控えめ(平均-20〜30%)。 7月以降にスルメイカへ呼称が変わってから本格化するのは例年通りの見通し。

5. 今から乗るなら ─ エリア別スルメイカ釣果

6月下旬時点でヤリイカ便は終盤。スルメイカは全エリアで稼働中。 エリアによって盛期の平均尾数に約10倍の開きがある。

エリア別スルメイカ平均尾数(盛期・2025〜2026年)
伊豆半島
130.7尾 とび島丸・6〜10月
駿河湾
50.8尾 勘栄丸・7〜9月
相模湾東
22.7尾 長三朗丸・4〜9月
外房南
16.1尾 和八丸・通年
内房
16.0尾 萬栄丸・通年
東京湾
13.4尾 一之瀬丸・7月〜翌5月
目的別エリア選択(6月下旬〜)
  • とにかく数を出したい → 伊豆半島: とび島丸(下田)平均130尾超。ただし乗合便は埋まりやすく、早めの予約確認が必要。
  • 手軽な数釣りなら → 駿河湾: 勘栄丸(沼津)などムギイカ感覚で平均40〜50尾。型は小さいが手返しよく終日楽しめる。
  • 首都圏日帰りなら → 相模湾東か外房南: 長三朗丸(葉山)平均22.7尾、和八丸(勝浦)平均16.1尾。アクセスと釣果のバランスが取りやすい。

6. 秋の「逆バトン」─ 10月に再び拮抗

春に渡したバトンは秋に逆向きで戻ってくる。 2025年の10月はヤリイカ31件・スルメイカ35件と再び拮抗し、 11月からヤリイカが64件へ増えて主導権が入れ替わった。 伊豆半島では9〜10月に同じ船でヤリイカとスルメイカが同時記録される珍しい時期がある。 秋のヤリイカは外房南(大原・勝浦)と相模湾東が主舞台で、 鹿島灘・茨城は10月よりも11月以降が本番になることが多い。

秋のヤリイカシーズンが本格的に始まるのは例年10月中旬〜下旬。 それまでの約4ヶ月は「スルメイカの時代」が続く。

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