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但馬・柴山の船釣りカレンダー
順栄丸の 18 か月分の釣果で見る、
夏の夜のシロイカから晩秋のブリまで

兵庫の日本海側、柴山の順栄丸は、 2025 年 4 月から 2026 年 9 月まで、18 か月分の釣果を追える船だ。 毎回の報告に「何を、いちばん釣った人で何匹(何杯)」が書かれているので、季節ごとの釣りものの入れ替わりがよく分かる。 同じ兵庫でも、瀬戸内とはまったく違う日本海の一年を、この 1 隻の記録から組み立ててみる。

季節ごとの主役

順栄丸の釣りは、昼の便と夜の便で大きく分かれる。 昼は季節に合わせて底物・イサギ・青物を狙い、春から秋の夜は集魚灯を灯してイカを釣る。 報告を並べると、一年はおおよそ次の 5 つの季節に分かれる。

時期 主な釣りもの 報告から(例)
2〜4 月 ガシラ・オキメバル・マフグ(底物) 2026/2/21 ガシラ 170 匹・オキメバル 80 匹/2026/4/15 マフグ トップ 22 匹
4 月下旬〜5 月(夜) ヤリイカ・スルメイカ・マアジ 2025/5/8 ヤリイカ トップ 252 杯・船中 1,300 杯超/2026 年はマアジの入れ食いとスルメイカ(トップ 62 杯)
5〜7 月(朝) イサギ・マダイ・アコウ 2026/6/13 イサギ 180 匹/2026/5/27 アコウ 37 匹
6〜9 月(夜) シロイカ(ケンサキイカ) 2026/8/20 トップ 138 杯・船中 1,000 杯/2025/8/29 トップ 106 杯
9 月下旬〜12 月 ブリ・メジロ・ハマチ・ヒラマサ・サワラ 2025/11/20 ブリ・メジロ・ハマチ 50 匹以上/2026/9/27 ヒラマサ 11 匹

※ 順栄丸の 2025 年 4 月〜2026 年 9 月の釣果報告より。数は、その便でいちばん釣った人の数(トップ)か、船全体の合計(船中)。 1 月は寒波と休漁日が重なり、2026 年は 2 月に入ってからの初出船だった。

2〜4 月:底物の数釣りとマフグ

冬の荒れた日本海が少し落ち着く 2 月、最初の主役はガシラ(カサゴ)とオキメバルだ。 2026 年 2 月 21 日はガシラ 170 匹・オキメバル 80 匹、翌 22 日もガシラ 130 匹。 3 月に入ってもガシラは 55〜130 匹の日が続いた。どの日も潮が速く苦戦したと書かれているが、それでも数は出ている。

3 月から 4 月はマフグの便も出る。水深 130 m 前後を狙い、トップは 10〜22 匹。 高級魚のマフグを狙える冬から春の釣りは、日本海側ならではだ。

春の夜:ヤリイカの年と、スルメイカの年

4 月下旬になると夜のイカ便が始まる。おもしろいのは、2025 年と 2026 年で春の主役が違ったことだ。 2025 年はヤリイカで、4 月 26 日にトップ 125 杯(船中 750 杯)、5 月 8 日にはトップ 252 杯、船中 1,300 杯超という大漁の夜があった。 ほとんどの人が 100 杯前後を釣ったという。

一方 2026 年は、春の夜の報告にヤリイカが名前だけ交じる程度だった。 代わりに 4 月下旬から 5 月はマアジの入れ食いとスルメイカの夜になり、スルメイカのトップは 8〜62 杯。 アジだけでクーラーを満たして帰る人も多かったようだ。 同じ時期・同じ船でも、年によって回ってくるイカが入れ替わる。春のイカ便は、その年の状況を船宿に確かめてから予約したい。

5〜7 月の朝:丸々としたイサギ

初夏の朝便はイサギの季節。オモリを付けた天秤仕掛けや、軽い仕掛けを潮に流すフカセ釣りで狙う。 2026 年は 5 月末から 7 月上旬にかけて 100 匹超えの日が続き、6 月 13 日の 180 匹が最多だった。 報告には、横幅があって重い、脂ののった「ジャンボイサギ」という言葉がたびたび出てくる。

2025 年は梅雨明けが早く、7 月 26 日に「今シーズン最後のイサギ」として締めくくられた。 同じ時期、生きた小アジをエサにするアコウ(キジハタ)の便もあり、2026 年 5 月 27 日には 37 匹、6 月 7 日には 24 匹が上がっている。

6〜9 月の夜:シロイカのイカメタル

夏の看板は、地元でシロイカと呼ばれるケンサキイカだ。 日が暮れると船の集魚灯を灯し、メタルスッテという小さな疑似餌でイカを掛ける「イカメタル」で狙う。 2 年分の報告を月ごとにならべると、2026 年の 8 月が突出していたことが分かる。

シロイカ便のトップ(いちばん釣った人の杯数)の月平均
月 2025 年 2026 年
6 月 39 杯(4 便) 50 杯(17 便)
7 月 48 杯(24 便) 53 杯(21 便)
8 月 54 杯(25 便) 70 杯(22 便)
9 月 47 杯(7 便) 34 杯(5 便)

※ 報告にトップの杯数が書かれた便だけの平均。()内は便数。

2026 年は 8 月 19 日から 23 日まで、トップが 91〜138 杯の夜が 5 日続いた。 なかでも 8 月 20 日はトップ 138 杯、船中 1,000 杯。どの夜も、集魚灯を灯して少したつと釣れ始め、 型の良いイカがそろったと書かれている。2025 年も 8 月下旬から 9 月上旬にかけて 80〜106 杯の夜が続いており、 8 月後半がシロイカの山場と考えてよさそうだ。

ただし、山場を過ぎると海況の悪い日が増え、2026 年は 8 月末に 3 日続けて休船、9 月 13 日にはトップ 13 杯にとどまった。 潮が速すぎて重いオモリが必要になる夜や、サメが寄ってペースが落ちる夜もあり、毎晩が爆釣というわけではない。

9 月下旬〜12 月:イワシを追う青物

イカの季節が終わると、昼の便はタテ釣りに切り替わる。 サビキの針に小魚のイワシを掛け、そのまま底まで落として青物や底物に食わせる釣りだ。 9 月下旬から 10 月はヒラマサ・シオ(カンパチの若い個体)・アコウ・サワラが交じり、 2026 年は 9 月 27 日にヒラマサ 11 匹、ブリ・メジロ・ハマチが 35 匹と、早くも好調な滑り出しになっている。

11 月から 12 月はブリ・メジロ・ハマチが主役になる。 2025 年 11 月は、出船した日の半分以上でブリ・メジロ・ハマチが 30 匹を超えた。11 月 20 日には、初挑戦の 4 人を乗せた便でも 50 匹以上が上がっている。 ただ、エサになるイワシの群れが見つからないと始まらない釣りで、報告にはイワシ探しに 2〜3 時間かかった日の話も多い。

柴山の船釣り、時期の選び方
  • イカの数釣りなら 8 月後半の夜。トップ 100 杯クラスの夜が続きやすい
  • イサギは 5 月末〜7 月上旬の朝便。梅雨明けが早い年は終わりも早い
  • 青物の数は 11〜12 月。イワシの群れ次第で日による差が大きい
  • 底物(ガシラ・マフグ)は 2〜4 月。冬の日本海でも数が出る

これからどうなりそうか

10 月はシロイカの季節が終わり、青物のタテ釣りが本格化していく月だ。 2025 年は 10 月に海況の悪い日が多く長い休船もあったが、11 月に入るとブリ・メジロが 30 匹を超える日が並んだ。 2026 年は 9 月下旬の時点ですでにヒラマサとブリ・メジロがまとまって出ており、去年より早い立ち上がりになるかもしれない。 瀬戸内側の船との違いは兵庫の船宿の選び方で、 同じ日本海の京都・丹後のイカメタルとブリは丹後の船釣りカレンダーで読める。

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