船から狙うタチウオ
─ 餌・テンヤ・ジギング3系統と、
東京湾・走水・剣崎沖の違い
夏の風物詩、船タチウオ。関東の船釣りには 「テンビン餌」「テンヤ」「ジギング」 の3系統があり、同じタチウオでもタックルと釣り方がガラッと変わる。 専門度・難易度・釣れる魚体(指3本〜指6本のドラゴン)まで違うので、 まず「自分はどれで遊びたいか」を決めるところからスタートする釣り物だ。 本ガイドでは3系統の基本を押さえたうえで、東京湾・走水・剣崎沖の主戦場の違いをまとめる。
仕掛け①:テンビン餌(夕焼け釣り)
オーソドックスな船タチウオのスタイル。 片テンビン25cm の先に ワイヤーハリス(タチウオの歯対策)を付け、 サバの切り身・サンマの切り身 を 付けて、シャクりで誘う。 穂先で集寄ピカピカを使う船宿もある。
| 項目 | 標準セッティング |
|---|---|
| 竿 | タチウオ専用 2.0〜2.4m、6:4調子 |
| リール | 小型〜中型両軸(カウンター付き必須) |
| 道糸 | PE 2〜3号 |
| テンビン | 片テンビン25cm |
| ハリス | ワイヤーハリス#41〜49、もしくはフロロ7〜8号、1.5m |
| 針 | タチウオ専用針 1/0〜2/0、2本針 |
| オモリ | 60〜80号 |
| 餌 | サバ切り身・コノシロ切り身(船宿支給) |
仕掛け②:テンヤ(テンヤタチウオ)
50〜60号の鉛にタチウオ専用針が付いた、シンプルな 1つテンヤ式。 テンヤに イワシ1尾 を巻きつけて固定し、シャクりとフォールで誘う。 竿を立てて、テンヤを底から1m上、3m上、5m上と段階的に探る「タナ探り」がメインで、 ロッドアクションの自由度が高い。
| 項目 | 標準セッティング |
|---|---|
| 竿 | タチウオテンヤ専用 1.9〜2.1m、MH〜H |
| リール | 小型〜中型両軸(カウンター付き) |
| 道糸 | PE 1.5〜2号 |
| リーダー | フロロ8〜10号、1.5m |
| テンヤ | 50〜60号、夜光カラー |
| 餌 | マイワシ1尾(船宿支給) |
仕掛け③:タチウオジギング
ジグ単体で誘うルアーゲーム。 100〜150gのタチウオジグ(ロング型のシルバー or グロー)を使い、 ハイピッチジャークでリアクションで食わせる釣り方。 近年は テンヤとジギングのハイブリッド「テンヤSLJ」 も増えている。
| 項目 | 標準セッティング |
|---|---|
| 竿 | ライトジギング 6'〜6'6"、MH |
| リール | ベイト型小型(XHギア) |
| 道糸 | PE 1〜1.5号 |
| リーダー | フロロ8〜10号 + ワイヤーリーダー15cm |
| ジグ | タチウオジグ100〜150g(シルバー/グロー/ピンク) |
基本の狙い方は「指示ダナで止める」
どの仕掛けでも共通なのは 「指示ダナ厳守」。 タチウオは特定の水深に層を作って待ち伏せるタイプで、 船長から指示の入る±2m を外すとほぼ食わない。 テンビン餌の場合は、指示ダナまで巻き上げてから 1m上げて1m下げる ゆっくりした誘いを2〜3回繰り返し、その後静止して食わせる。
テンヤ・ジギングは シャクりとフォール が誘いの軸。 テンヤなら「3〜5回シャクって、ピタッと止める」、ジギングなら「ハイピッチで3回、止めて1秒」。 どちらも 食うのはフォール中 が多いので、フォール時のラインを目で追って 違和感があれば即合わせ。
エリアごとの違い
富津・横浜・川崎
水深30〜80mの浅〜中場が主戦場。 ひらの丸(富津)が 8便で平均13本・最大34本と直近のトップ、 一之瀬丸(横浜)も 通年で乗船しやすい。 観音崎沖・第二海堡が当たり場で、指3〜4本のレギュラーサイズを数で楽しむ釣り方。
走水・大津・鴨居
観音崎沖・猿島沖を狙う。 教至丸(走水)は夜タチで知られ、 こうゆう丸(大津)も 10便で平均4本と通年で安定。 水深50〜100mの中深場で 指5本のドラゴン 混じり。
佐島・松輪・小網代
剣崎沖の深場(80〜150m)を ジギングで狙う 専門便。 五郎丸(佐島)が 直近で1便61本と単発で爆発しており、 指6本超のドラゴン も期待値。 タチウオジギングの本場として根強い人気。
参考:大阪湾の テンヤタチウオ は関東より早い9月から始まり、 水深60〜120mのドラゴン狙いが定番。 関東のシーズン後半(11〜12月)の参考にされることが多い。 関東圏で同じ釣り方を試すなら、剣崎沖・松輪沖のジギング便が近い体験になる。
| エリア | 主戦場 | 水深 | 主流の仕掛け | サイズ感 |
|---|---|---|---|---|
| 東京湾 | 第二海堡・観音崎沖 | 30〜80m | テンビン餌・テンヤ | 指3〜4本 |
| 三浦半島東 | 観音崎沖・猿島沖 | 50〜100m | テンビン餌(夜タチも) | 指3〜5本 |
| 三浦半島南 | 剣崎沖 | 80〜150m | ジギング・テンヤ | 指4〜6本+ |
サイズと味の話
- 指3本(90cm前後) ─ 数で釣れるサイズ。塩焼き・ムニエルでさっぱり
- 指4本(100cm前後) ─ 釣果の主役。 刺身・炙り が一級品
- 指5本(120cm超) ─ 良型「ドラゴン」。塩焼き・天ぷら・蒲焼きと多彩
- 指6本超 ─ 大ドラゴン。剣崎沖・松輪沖のジギングで稀に出る大物
タチウオは 釣り立ての刺身 が絶品で、皮目を炙った「焼霜造り」にすると 脂が浮いて市販品とは別物の味になる。 指の本数は 体高(背中から腹にかけての厚み) を指何本ぶんでカウントするもので、 体長ではない。
季節とベストタイミング
関東のピークは 7〜11月。 7月に走水・大津から本格化し、9〜10月が数・型ともに最盛期。 11月以降は深場(100m超)に落ちて、剣崎沖・松輪沖のジギング便が主役になる。 春(4〜5月)はオフシーズンで、データに出る5月の出船は 「春の数少ない当たり日」 の側面が強い。
春タチウオの動向は 「2026年春、タチウオが渋い」 にまとめている(前年比・前々年比の比較あり)。
2026年初夏の動き (2026-05-24時点)
直近2週間でタチウオ便は 34出船・7船宿、平均8本・最大61本。 本来はオフシーズン入りの時期だが、富津のひらの丸と佐島の五郎丸が 単発で大物を上げており、 夏本番に向けた前哨戦 の様相。 本格化は7月以降の見通し。
詳しい船宿別の比較は タチウオの最新釣果 を参照。
予約と装備
- 予約:9〜10月の週末は早めに。テンヤ・ジギング便は専門度が高いので予約時に確認。
- レンタル:テンビン餌船はレンタルが豊富。テンヤ・ジギングは専用ロッドの貸出が少ないので持参推奨。
- 必須装備:歯対策の 厚手の軍手 or タチウオハサミ、フィッシュグリップ。素手で触ると確実に切る。
- クーラー:120cmを超える魚なので、 大型クーラー(35L以上、長辺85cm以上) 推奨。曲げて入れるならスペース工夫。
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