船から狙うショウサイフグ
─ カットウ仕掛けの基本と、
東京湾・外房・鹿島の違い
春の風物詩、船ショウサイフグ。 仕掛けは カットウ針 と呼ばれるイカリ型の引っ掛け針を使う、 他のどの釣り物にもない独特のスタイルだ。 フグの「コツコツ」というついばみアタリを取って、瞬間的にシャクって引っ掛ける、 ゲーム性の高い釣り物として根強いファンを持つ。 本ガイドではカットウ釣りの基本と、東京湾・外房北・鹿島灘の違いをまとめる。
仕掛けは「カットウ針」で引っ掛ける
フグは 歯が鋭くハリスを切る ため、通常の針掛けでは釣りにならない。 そこで考案されたのが 「カットウ」 仕掛けで、 中オモリの先に4〜5本のイカリ針が付いた針掛けを吊るし、 オモリの少し上に 「エサ針」 を出してアオヤギの剥き身などを付ける。 フグがエサ針の餌をついばんでいる時に、シャクってカットウ針を 体に引っ掛ける という仕組みだ。
| 項目 | 標準セッティング |
|---|---|
| 竿 | フグ専用 1.5〜1.8m、先調子(穂先が硬めでアタリが取れるもの) |
| リール | 小型両軸(カウンター付き推奨) |
| 道糸 | PE 1.5〜2号 |
| カットウ仕掛け | 中オモリ20〜30号 + カットウ針4〜5本 |
| エサ針 | 2〜3号、カットウ針の20〜30cm上 |
| 餌 | アオヤギの剥き身(船宿支給が定番) |
※ フグ釣り後の調理は 必ずフグ調理師(船宿で対応する場合が多い)が 行うこと。家庭での自家処理は絶対に避ける。
基本の狙い方は「シャクってひっかける」
- 仕掛けを底まで落とし、 オモリを底に着けたまま 待つ
- 穂先に 「コツコツ」 という小さな当たりが出る
- 「ガクッ」と入ったら、 素早く30〜50cm 竿を煽る
- 重みが乗れば掛かっている。一定速でゆっくり巻き上げる
- 掛からなければ、再びオモリを底に着けて待つ
ショウサイフグ釣りの肝は、 アタリのタイミングを読む こと。 「コツコツ」だけで終わるのは食ってないので合わせず、 「コツコツ → グッ」 と入った瞬間にシャクる。 合わせの瞬発力と、空振りした後の即フォール戻し、この2拍子がリズムだ。 手返しが命なので、 シャクり→引っ掛からない→即フォール を テンポよく繰り返す。
エリアごとの違い
金沢八景・富津
関東の春ショウサイフグの主戦場。 野毛屋(金沢八景)が 8便で平均6匹・最大19匹と安定、 ひらの丸(富津)も 5便で平均5匹・最大12匹。 水深20〜40mの浅場〜中深場で、平均サイズ25cm前後の中フグを数で楽しむ釣り方。
飯岡
飯岡沖が春フグの一大ポイント。 隆正丸(飯岡)が 7便で平均10匹・最大23匹と関東屈指の数字。 水深30〜50mの砂地系で、サイズも30cm超の良型混じり。 「飯岡フグ」は産地ブランドとしても定着している。
| エリア | 主戦場 | 水深 | サイズ感 | 性格 |
|---|---|---|---|---|
| 東京湾 | 富津沖・八景沖 | 20〜40m | 20〜30cm | 数狙いの本場 |
| 外房北 | 飯岡沖 | 30〜50m | 25〜35cm | 数も型も |
| 鹿島灘 | 鹿島沖・大洗沖 | 40〜80m | 25〜45cm | 大型期待値 |
| 相模湾湘南 | 茅ヶ崎沖 | 30〜50m | 20〜30cm | スポット便 |
サイズと味の話
- 20cm前後の小型 ─ 数で釣れるサイズ。唐揚げ・てっさ少量で家庭向け
- 25〜30cmのレギュラー ─ 釣果の中央値。 てっさ・てっちり の鉄板サイズ
- 35cm超の良型 ─ 白子 がしっかり入る春の良型。酒の肴として最高峰
- 40cm超の大型 ─ 鹿島灘・飯岡で稀に出る。釣れたらまさにご褒美
ショウサイフグは 「下関のトラフグに次ぐ高級魚」 と言われる白身魚で、 てっさ(薄造り)にすると皿の柄が透ける美しさ。 春には 白子 が入って、これも珍味の最高峰だ。 ただし 家庭での自家処理は絶対NG。 必ず船宿のフグ調理師に処理してもらうこと(多くの船宿で持ち帰り用の処理対応あり、 処理料は1人2,000〜3,000円程度)。
季節とベストタイミング
ピークは 4〜6月の春フグ と 10〜12月の秋フグ の2回。 春は産卵に絡んで白子・真子が入る食味のピーク、秋は脂を蓄える成長期で 身の旨味が乗る時期。 真夏は休む船が多く、冬は鹿島灘・飯岡でカットウ釣りが続く程度。 本格的に狙うなら春か秋、と決めて予約するのが効率的。
2026年初夏の動き (2026-05-24時点)
直近2週間でショウサイフグ便は 33出船・9船宿、平均6匹・最大25匹。 春フグのシーズン後半に入り、東京湾・外房北・鹿島灘の3エリアがほぼ均等な出船数で動いている。 隆正丸(飯岡)が 平均10匹・最大23匹でトップ、 弘清丸(大洗)の 単発25匹も光る数字だ。
詳しい船宿別の比較は ショウサイフグの最新釣果 を参照。
予約と装備
- 予約:春・秋の週末は早めに。専門便は2〜3週前を目安に。
- レンタル:カットウ専用ロッドは貸出が少ない船もあるので、購入推奨。安価なエントリーモデルでも十分。
- 必須装備:フグの歯対策に 厚手の軍手、餌付け用の 小型ハサミ。
- 持ち帰り:フグ調理師の処理代(1人2,000〜3,000円)が別途必要。多くの船宿が対応。
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