船から狙うマルイカ
─ 直結スッテの基本と、
葉山・勝山・久比里で
違う狙い方
ケンサキイカの幼〜中型を指す通称「マルイカ」。 春から初夏にかけて関東で本格化する、繊細でゲーム性の高い船釣りだ。 仕掛けは 直結スッテ5〜7本のブランコ仕掛け が基本で、 穂先のごく小さな変化を取って合わせる「ゼロテンション」の釣り方が肝心。 本ガイドでは仕掛け・誘い方の基礎を押さえたうえで、相模湾東・内房・三浦半島東の エリアごとの違いをまとめる。
仕掛けは「直結スッテ5〜7本」が基本
マルイカ仕掛けには 直結式(スッテをハリスに直接通す)と ブランコ式(枝スを介して吊るす)の2系統があるが、 近年の主流は直結式。スッテ間は40〜50cmで、5〜7本を等間隔に結ぶ。 重さは40〜80号の中オモリを末端に付け、底から1〜2m上を集中して探る。
| 項目 | 標準セッティング |
|---|---|
| 竿 | マルイカ専用 1.6〜2.0m、ML〜M(穂先がしなやかなもの) |
| リール | 小型両軸 もしくは小型電動 |
| 道糸 | PE 0.4〜0.8号 |
| 幹糸 | フロロ 3号、スッテ間40〜50cm |
| スッテ | 直結スッテ 5〜7本(白・ピンク・グロー・赤を混在) |
| オモリ | 40〜80号(潮と水深で調整) |
スッテの色とサイズの組み合わせは 「当たりカラー」 が日によって変わる。 まず複数色を混在させて投入し、釣れた色を集中的に増やしていくのがセオリー。 船宿によっては「白を必ず1本入れる」など、推奨パターンを掲示しているところもある。
基本の狙い方は「ゼロテンションで止める」
- 仕掛けを着底させたら、糸ふけを取って オモリが浮いた瞬間 で止める
- その位置で2〜3秒静止(ゼロテンション)
- 反応がなければ、20〜30cm持ち上げてまた静止
- 穂先が「すっ」と入る/重みが乗る/フッと軽くなる、いずれかでアワセ
- 掛けたらテンションを抜かず、一定速で巻き上げる(追い乗りを狙うなら止める)
マルイカ釣りの肝は 「触り(さわり)」 と呼ばれる極小のアタリを取ること。 イカがスッテに触れた瞬間の違和感は、本当に微かな変化で、穂先が1mm動くかどうか。 専用ロッドの繊細な穂先と、 細PE(0.4〜0.6号) による感度がそのまま釣果に直結する。
エリアごとの違い
葉山・佐島
関東の春マルイカの主戦場。 城ヶ島沖 の水深30〜80mを、葉山・佐島の各船が日替わりで攻める。 長三朗丸(葉山)・ 五郎丸(佐島)・ 志平丸(佐島)など、専門度の高い船が並ぶ。 混雑するが、当たり日は乗船全員2桁という日も。
勝山・洲崎
水深60〜120mの中深場を狙う、サイズ重視の釣り方。 オモリは100〜150号、ロッドもやや張りのある中深場仕様に切り替える。 宝生丸(勝山)・ 萬栄丸(勝山)が代表で、 胴の長さ20cm超の良型が混じる。
茅ヶ崎・腰越
春先のみ茅ヶ崎・腰越の船がマルイカ便を出すことがある。 水深30〜50mの浅場で気軽に狙えるが、シーズン後半の主戦場は他エリアに移る。
| エリア | 主戦場の水深 | オモリ | サイズ感 | 性格 |
|---|---|---|---|---|
| 相模湾東(葉山・佐島) | 30〜80m | 40〜80号 | 12〜25cm | 数狙いの本場 |
| 内房(勝山・洲崎) | 60〜120m | 100〜150号 | 15〜30cm | 深場の良型 |
| 三浦半島東(久比里) | 40〜80m | 60〜100号 | 12〜25cm | 混雑少なめの穴場 |
| 相模湾湘南 | 30〜50m | 40〜60号 | 12〜20cm | 春先の浅場便 |
サイズと味の話
- 胴長10〜15cm ─ 通称「マッチ」サイズ。丸ごと刺身、唐揚げ、塩辛で楽しむ
- 胴長15〜20cm ─ 釣果の中央値。刺身・沖漬け・パスタと万能
- 胴長20cm超 ─ 良型。 「沖漬け」 はこのサイズ以上で作るのが定石
ケンサキイカ系の中でも、マルイカは 身が薄くて柔らかい のが特徴。 刺身にすると独特の甘みがあり、沖漬けにすると一晩で「アメ色の珍味」に化ける。 釣行翌日まで楽しめる釣り物として、釣り人ファミリーから人気が高い。
季節とベストタイミング
ピークは 4月中旬〜6月上旬。 水温の上昇とともに浅場に入ってきて、5月のGW明けが最盛期になることが多い。 梅雨に入って水温が安定すると深場に落ち、内房〜三浦半島東の中深場便にシフト。 晩夏(8〜9月)には大型のケンサキイカ(赤いか)として復活するエリアもあり、 マルイカ → 中ムラサキ → 赤いかとリレーで楽しめる釣り物だ。
前年比でどう推移しているかの分析は 「2026年春、マルイカは深場の年」 にまとめている。
2026年初夏の動き (2026-05-24時点)
直近2週間でマルイカ便は 66出船・12船宿、平均18杯・最大67杯。 相模湾東の葉山勢が出船数で抜きん出ており、城ヶ島沖・カメギ根が日替わりの主戦場。 内房の勝山勢は平均21杯・最大67杯と数字も好調で、シーズン後半に向けて 深場の年 の様相を見せている。
詳しい船宿別の比較は マルイカの最新釣果 を参照。
予約と装備
- 予約:GW〜5月の週末は早めに埋まる。葉山・佐島は2〜3週前を目安に。
- レンタル:専用ロッドの貸出が少ないので、できれば購入推奨。安価なエントリーモデルでも十分。
- スッテ:4〜6本セットを2セットは持参する。ロストが多い釣り物。
- その他:イカ墨対策にエプロン・タオル多めで。沖漬けタレを持っていけば船上で漬けられる。
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