船から狙うマダイ
─ コマセマダイとひとつテンヤ、
エリアで分かれる王道2系統
船マダイの仕掛けは大きく 「コマセマダイ(テンビン+長ハリス)」 と 「ひとつテンヤ」 の2系統に分かれる。 どちらも一級のターゲットとして関東〜東海の船宿で広く出ているが、 どちらが盛んかは港によって違い、出るサイズも食わせの組み立ても別物だ。 本ガイドでは両方の基本を押さえたうえで、剣崎沖・鹿島灘・外房・伊豆と エリアごとに変わる狙い方をまとめる。
仕掛け①:コマセマダイ(テンビン+ビシ)
コマセ(オキアミ)を入れたビシを指示ダナまで沈め、L字テンビンの先に 6〜10mの長いハリス を結んで、コマセの煙幕の中に付け餌を漂わせる釣り方。 関東のコマセマダイは「ハリスの長さでアタリのタイミングが変わる」ことを前提に組み立てる、 繊細な仕掛けだ。
| 項目 | 標準セッティング |
|---|---|
| 竿 | コマセマダイ専用 2.4〜2.7m、6:4〜7:3調子 |
| リール | 小型〜中型電動 |
| 道糸 | PE 3〜4号 |
| ビシ | FL 80号 もしくはプラビシ 100号 |
| テンビン | L字 1.6mm × 40cm |
| ハリス | フロロ 3〜4号、6〜10m |
| 針 | マダイ針 8〜9号、もしくは伊勢尼 10号 |
| 餌 | オキアミ(船宿支給のことが多い) |
テンビン仕掛けの基本は テンビン仕掛けの解説 も参照。
仕掛け②:ひとつテンヤ
ヘッド(オモリ)と針が一体化したシンプルな一本針仕掛け。 活きエビ を頭からまっすぐ刺して、ふわっと底まで落とすフォール主体の釣り方で、 2010年代以降に関東でも一気に広まった。軽量タックル・PE0.6〜1号の細糸で、繊細なアタリを取る。
| 項目 | 標準セッティング |
|---|---|
| 竿 | ひとつテンヤ専用 2.4〜2.7m、ML〜M |
| リール | スピニング 2500〜3000番 |
| 道糸 | PE 0.6〜1号 |
| リーダー | フロロ 2.5〜3号、1〜2m |
| テンヤ | 8〜15号(深場は20〜40号) |
| 餌 | 活きエビ(冷凍可) |
ひとつテンヤの詳細は テンヤ仕掛けの解説 も参照。
基本の狙い方
コマセマダイは「指示ダナ=海面から○m」と指定されることが多い。指示ダナまで巻き上げて 大きく1〜2回しゃくってコマセを振り出し、ハリス分(6〜10m)だけ巻き上げ直して 付け餌をコマセの煙幕に同調させる。あとは竿を持ってじっと待つ。 アタリが出ても竿が「ぐぐっ」と入るまで合わせない。マダイは違和感を感じると放すので、 違和感の少ない長ハリスで自然に食わせる、というのが仕掛けの設計思想だ。
ひとつテンヤは フォールが全て。 着底直後と、底から1〜2回竿でしゃくって再フォールさせる「2段アタリ」の場面で食わせる。 アタリは「コンッ」と乾いた感触。少し送り込んでから確実にアワセる。 細糸&軽量タックルなのでドラグは緩めに、走らせて止めない。
エリアごとの違い
松輪・三崎・剣崎沖
関東のコマセマダイの本場。剣崎沖が文字通りの主戦場で、 水深40〜80mを狙う。 ハリスは6〜8m、ビシは80〜100号、付け餌はオキアミの3〜4匹房掛けが定番。 乗っ込みの大ダイ(5kg級)が混じるのもこのエリア。
大原・勝浦・小湊
ひとつテンヤ発祥のエリア。大原沖の水深20〜40mで、 活きエビをふわっと落として食わせる釣り方が成立する。 力漁丸(大原)の ような専門船がランキング上位に並び、5kg級も期待できる。
鹿島・大洗・那珂湊
茨城の砂地系のマダイ場。コマセ・テンヤ両方が出るが、コマセ便がボリュームゾーン。 春は乗っ込みの好機、初夏以降は中型主体で安定。 水深50〜80mのポイントが多い。
| エリア | 主戦場の水深 | 主流の仕掛け | サイズ感 | 性格 |
|---|---|---|---|---|
| 三浦半島南(剣崎沖) | 40〜80m | コマセ | 1〜5kg | 本場の数・型バランス |
| 外房南(大原沖) | 20〜40m | ひとつテンヤ | 1〜5kg | フォールで食わせる |
| 鹿島灘 | 50〜80m | コマセ中心 | 0.5〜3kg | 砂地系で広く拾う |
| 伊豆半島 | 80〜120m | コマセ・天秤 | 1〜7kg | 電動で深場の大ダイ |
| 内房(金谷・洲崎) | 30〜60m | コマセ・テンヤ | 1〜3kg | 東京湾の入口、混雑少なめ |
サイズと味の話
- 0.5〜1kgの小〜中ダイ ─ 数狙いのサイズ。刺身・カルパッチョ・潮汁と万能
- 2〜3kgのレギュラー ─ 身が締まり、味のピーク。鯛飯・しゃぶしゃぶも美味い
- 4〜5kgオーバー ─ 乗っ込み期(春)の大ダイ。皮目の脂が乗って、塩焼き・カブト焼きが格別
- 桜鯛と紅葉鯛 ─ 産卵期の春(桜鯛)と、脂を蓄える秋(紅葉鯛)に2回ピークがある
季節と通年性
春の 「乗っ込み」(3〜5月)が最大のピーク。 産卵で接岸する大ダイが浅場に入り、5kg級の期待値が一年でもっとも高くなる。 梅雨〜初夏(6〜7月)は中型主体で数が出やすく、初心者にも勧めやすい時期。 秋(10〜11月)は脂を蓄えた「紅葉鯛」の好機で、食味派にはこちらが本命。 真冬は深場(100m超)に落ちる船が増え、専門度が上がる。
2026年初夏の動き (2026-05-24時点)
直近2週間ではマダイ船は 223出船・関与64船宿 と、アジに次ぐボリューム。 平均は1日2枚と数モノには遠いが、これはマダイ釣りの常で、群れに当たれば一気に上がる釣り物だ。 伊豆半島の 米丸(手石)が 平均14枚・最大22枚で抜けており、外房の 力漁丸(大原)も 単発13枚を上げている。
詳しい船宿別の比較は マダイの最新釣果 を参照。
予約と装備
- 予約:乗っ込み期の週末は2〜3週前埋まり。電動リール持ち込みは予約時に伝える。
- レンタル:コマセマダイ船はテンビン・ハリス込みで対応する船が多い。テンヤ船は専用ロッドの貸出有無を要確認。
- 服装:レインウェア・防寒・偏光サングラスは必須。手返しが少ない釣りなので、寒さ対策はLT系より重要。
- クーラー:大型を狙うなら35L以上。氷は多めに。
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